音楽を学ぶ子供と保護者の方へ

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ヴァイオリンやピアノに限らず、楽器を学校外で習う子供とその保護者の方々へのメッセージです。

様々な考え方が「音楽教育」についてもあります。
子供の年齢によって保護者(以後、親と書かせていただきます)の関わりは違います。
子供の成長、特に精神的な成長・発達に多くの親は戸惑います。
もちろん、嬉しいことなのですよね。
親にとって自分の子供とは言え、親自身が育った経験を基準に子育てしていることを忘れがちです。
自分がそうだから、我が子もそうだろうと思っているわけでもないのに、無意識に子供に自分の価値観を植え付けてしまっていることも多いのです。それが悪いとは思いません。それこそが子育てだとも思います。
子供が楽器を弾けるように「なって欲しい」と思う親は多くても、
子供の将来と音楽を結びつけて考えることのできる親は、親自身が音楽家でない限り、とても難しく、悩むところです。
「子供が一生、音楽を趣味として楽しんでくれたらと思います」
とても、素晴らしい考え方です。私たちもそう願います。
でも
その一方で、本当にその子供自身が音楽とどう、接していくのかは、子供自身の決定することなのです。子供が自分で自分の将来を考え始めるのは、一体いつでしょうか?
私が中学・高校で20年働いていた経験から考えると、18歳の高校3年生でさえ、自分の将来についてまだはっきりとした目標や計画を持っている子供はごく稀です。人によって個人差はまりますが、多くの子供は親や先生、そして周りの友人の話を聞きながら「とりあえず大学」だったりします。
さて、音楽を習っている子供の親の話です。
教室に子供を連れてきてもなんの興味も持たず、コーヒーをレッスン室で飲んでいるありえない親もいます。
子供のレッスンを見ようともしない親の多くは「自分ができないから」という理由のようです。
間違っていると思います。自分ができないなら、尚更レッスンを見て、先生が話していることを自宅でも子供に言えるようにしようと思わない親。
私たちの教室では子供の音楽への関わりについて、いつも真剣に考えているつもりです。
子供自身と親が「もっと音楽を楽しみたい」と思ってくれれば、それに応える準備があります。
楽しむために努力すること、趣味としてでも音楽を一生の楽しみにしたいなら、その努力は一生続くものだと思います。一時的に習ったから一生の趣味になるものではないと思います。
音楽学校に進むことで、普通科の学校に通うよりも音楽に接する時間長いのは当たり前です。
ただ、音楽学校というところが、個人を育てるために相対評価をするのも事実です。序列の中で自分が得意なことと不得意なことを受け入れながら、さらに上達しようとする強さも必要だからです。その意味で自分が一番下手だと言われても、頑張れる強さを学んでいかなければ趣味にさえなりません。それは、音楽学校へ行かなくても同じことです。もっと上手くなりたい。もっと音楽を知りたい。そんな気持ちがあってこそ「音楽を楽しめる」ということだと思います。
子供が揺れるのは当たり前です。親も悩みます。一緒に悩めば良いのです。子供もいつか、親になった時に自分の子供のことで悩むのです。そして、親の一生より長いこれからの子供の一生に、音楽を残してあげたいなら、親の決断も必要だと思います。甘やかしてばかりが愛情ではない。そう思います。ダメなものはダメ。親の価値観で決断するのですから、はっきり子供に伝える責任があると私は思います。子供に恨まれるのも親の特権です。
長い文章をお読みいただき、ありがとうございました。

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