公立中学校にオーケストラを

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 映像は、2017年3月に野木エニスホールで収録したものです。
公立中学校の弦楽オーケストラ部との「中国の太鼓」の共演です。
15年以上前にご縁があって毎年夏に、指導に伺っている部活オーケストラの定期演奏会時に、浩子さんとの演奏を依頼され子供たちとの共演のために、友人の作曲家町田育弥君に編曲をお願いしました。
 楽譜が出来て、学校に送付して子供たちは「メトロノーム」を相手に練習。
本番当日、1時間だけの合わせで本番を迎えました。「弾き振り」でゲネプロ本番という暴挙でしたが、浩子さんのピアノにも参加してもらったことで、なんとか乗り切りました。

 公立の中学校に吹奏楽部はあっても、弦楽合奏部やオーケストラの部活はほとんどありません。高校になって、一部の公立高校にちらほら見受けられるのが現状です。地域によるの差も激しく、千葉県、長野県では盛んに弦楽器を部活動に取り入れています。
 「弦楽器は高い」という「まことしやかな嘘」がその原因だと言う人もいます。吹奏楽部で使用する楽器の総額と、入門用の量産弦楽器の総額で考えると、むしろ弦楽器の方が安いのをご存知でしょうか?
 「弦楽器は種類が多い」というでたらめな話。吹奏楽で使用する楽器の方が、酒類多いんですけど(笑)弦楽合奏「ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ・コントラバス」の4種類です。一方で吹奏楽では「フルート、クラリネット、アルトサキソフォン、テナーサキソフォン、トランペット、トロンボーン、ユーフォニューム、チューバ、打楽器数知れず」は最低限必要です。
 「指導が難しい」というすっとぼけた大嘘に腹が立ちます。
吹奏楽の指導なら簡単なんかいっ!(怒)
先述の通り、吹奏楽の楽器の種類が弦楽合奏より多いのに、「素人顧問でも指導できる」ってどんな根拠でしょう?ありえないですよ。
 はっきり言ってしまえば、楽器に触ったこともなく、音楽に関心もない「顧問」が「もっと練習しなさい」と掛け声をかけて、練習を休む生徒をまるで戦争中の「赤狩り」のごとく、生徒同士にスパイをさせてあぶりだす「ブラック吹奏楽」これが指導だと言うのなら、弦楽部は作らないでいただきたいですが。
 音楽を通して、子供たちが絆を感じること、演奏を通して、誰かを笑顔にする体験、音楽系の部活動の素晴らしさです。
 その素晴らしさよりも、生徒を縛り無意味なこと=本人たちは練習だと思っているに子供たちの、貴重な時間を割き拘束する。音楽ではなく「強制労働」です。それを「音楽」と呼ばないで欲しいのです。

 弦楽器の指導に必要な知識を、教員が学ぶ時間がないのなら、学校外から指導者を呼べば良いのです。運動系の部活動でも同じです。素人の「根性論」で顧問がしどうすれば生徒は身体を壊すだけです。音楽で言うなら、音楽大学を卒業したての若い演奏家や学生に顧問が立ち会って生徒の実技指導を出来るはずです。
 顧問がいない状態での部活動は、すでに学校教育活動ではありません。
外部の指導者だけで、部活指導をするのは法律的に間違っています。
弦楽器の合奏が、吹奏楽のそれと比較して何が違うのか?
少ない種類の楽器で、4つから5つのパートで演奏する「弦楽合奏」は、音色の種類がすべて同じです。吹奏楽と比較して「まとまりやすい」音色です。
 特殊な場合を除き、弦楽器は屋外で演奏できません。野球の応援には使えません。だから?吹奏楽ですか?
 弦楽器と管楽器・打楽器で「管弦楽~オーケストラ」ができます。
弦楽合奏と、数種類の管楽器だけでもオーケストラです。
「ウインド・オーケストラ」と言う名前を見るたびに、なんとなく違和感を覚えるのは私だけでしょうか?「ウインド・アンサンブル」は当然存在します。
 学校に弦楽器を導入するか?しないか?と言う話の前に、部活動とは何か?について社会が理解することが先決だと思います。
 楽器の演奏を趣味にする人が増えることで、人にやさしくできる人が増えると思っています。競う事より、助け合う事の大切さを体感できる合奏が、日本中に広まることを願っています。
 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

ヴァイオリニスト・ヴィオリスト 野村謙介

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