合同演奏会(複数団体演奏)で感じること

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 映像は、その昔神奈川県内の私立公立高校からの融資メンバーによる弦楽+打楽器による演奏です。毎年夏に行われている「全国高等学校文化連盟総合文化祭」…長い(笑)と言うイベントでのものです。この時は徳島県だったかな…。
多くの団体が出演する演奏会。演奏する側も見る側も、運営する側も通常の演奏会とは違う「面白さ」「大変さ」と同時に「留意点」があると思っています。
 何よりも「自分たちだけ」ではないことを、すべての出演者が同じ感覚で理解することが絶対に必要です。演奏技術の優劣、演奏人数の多い少ない、人気のあるなし(笑)などを一切排除して、すべての出演団体が「平等」でなければ合同演奏会の本質を失います。

 教員として働いていた横浜市緑区で、近隣の高校の吹奏楽・管弦楽の合同演奏会絵画行われていたころの話です。その演奏会に初めて参加した当時、私の勤務していた学校オーケストラは、まだ出来て数年目。人数も50人ほどだったと思います。生徒たちを引率し、楽器トラックを私が運転して会場入り(笑)。
決められた時間通りに、各学校が舞台でリハーサルを行い、また決められた演奏時間内で本番の演奏を行う「約束」がありました。
 そんな中で、近隣で「うまい」とされていた公立高校吹奏楽部の「顧問」が、その約束を「ガン無視」して悠然と延々とリハーサルを長時間行い、そのため開演時間は遅れ、挙句本番でもプログラムに書いていない曲まで演奏する始末。
 私の勤めていた学校以外の高校生徒たちは、「あの学校だから…何も言えない」他の顧問教員たちも「あの顧問は●●連盟のおえらいですからね…」とだんまり。許せなかった若僧の私は、公然と抗議しました。予想通り「なに?文句あるの?へ~」聴く耳持たずの変人に、それ以上話す気もなく、それ以後の演奏会では打ち合わせ時に「リハーサル・演奏時間の平等厳守」を会議に提案し以後、その学校もぶつぶつ言いながら従っていました。。ちなみにその学校吹奏楽部は、顧問が定年退職した翌年、コンクールで地区予選落ちして部員数が10名ほどに激減し舞台から消えました。

 さすがに全国でのイベントとなると…と思いきやそうでもなく(笑)
意図的にではない「アクシデント」や「運営のトラブル」でスケジュールが遅れることは仕方のないことです。一度きりのぶっつけ本番ですから当然です。
 それを考慮して自分たちのリハーサルを、短時間で終える気持ちが「マナー」だと思っていましたので、どんなに大人数で参加する時でも(確か徳島でも)私が指揮する団体のリハーサルは、前の出演団体からの「入れ替え確認」と「座る位置の確認」「演奏できるスペースがあるか確認」が終われば「次の団体との入れ替え確認」つまり、演奏はしませんでした。
 今のメリーオーケストラと「真逆」(笑)の超高速リハーサル。
回りの関係者や他校・他県の先生たちから「良いんですか?」「申し訳ない」「ありがとう」と言う言葉をかけられました。
 本番でも予定時間内ではありましたが、動画の「ヘアースプレー」を演奏する前に、チャイコフスキー弦楽セレナーデの終楽章を演奏しましたので、その曲間を1秒でも短くすることを、予め演奏する生徒たちに伝えていました。
動画の冒頭部分を見て頂くと、前曲に演奏した弦セレの拍手が鳴っている時にすでに私は演奏者の方に向き直っているのがわかります。そして、生徒たちもすぐに楽譜を入れ替えています。ヘアースプレーの出だし、チェロとコンバス、ドラムとティンパニーなので、そこだけ確認し「じゃーん」(笑)
ドラムの池上君、そのあと座り直してます(笑)

 演奏している本人たち同士が「譲り合う」気持ちは客席で聴いている人にも伝わるものです。当然のこととして、どこかの団体だけが長く演奏すれば「どうして?」と言う疑問を持つ人もいます。「うまいと思っているから?」「人数が多いから?」後味の悪い印象を残してしまいます。アマチュアのコンサートにうまいもへたもありません。人数が多ければ「すごい」と言うものではありません。
色々な演奏を楽しく「聴き比べられる」ことを第一に考えて演奏するべきです。
 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

ヴァイオリニスト・ヴィオリスト 野村謙介

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