弓の速度をコントロールする

このエントリーをはてなブックマークに追加

 映像は私の地元、相模原市橋本駅前にある「杜のホールはしもと」での演奏風景。ラフマニノフ作曲「ヴォカリーズ」の演奏です。
 このホール、残響が美しい!演奏していて気持ちのよいホールです。
さて今回のテーマは「弓の速度」です。ヴォカリーズの演奏を見て頂くとよくお分かりいただけると思いますが、弓の速度は常に一定…とは限りません。
 もちろん、基礎技術として「同じ音色」「同じ音量」でダウン・アップがそれぞれに演奏できるように練習することは、日々欠かさずに練習します。
一方で曲の中で「一音」の中でも音色や音量を変えることが音楽的に求められる場合もあります。逆に言えば、すべての「一音」を「べた塗」すれば全体が平面的なな音楽になります。音の立体感=奥行を表現するために、ヴィブラートや弓の速度・圧力をコントロールする技術が不可欠です。
 同じ長さの音符でも、意図的に弓の速さ=弓の量を変えることで、音色が大きく変わります。音の大きさをコントロールするのは、むしろ「圧力」と「音の立ち上がり」が大きく影響します。弓を速く動かせば音が大きくなると「勘違い」している人も見かけます。弓の速度を遅くすれば「詰まった音=芯のある音」に近づき、逆に速くすれば「空気の含まれた音=軽い響きの音」が出せます。圧力との組み合わせでさらに大きな変化量が生まれます。
 また、演奏する弓の「場所」も本来は音色に影響します。}弓先と弓元は「硬い音」を出すのに適しています。一方で弓中は「ソフトな音」「軽い音」を出すのに適しています。
 これらの要素を考えながら弓を決めることが大切になります。ホールの響きや曲によって弓の速さも変わります。
 ぜひ、自分の好きな曲で試してみてください!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

ヴァイオリニスト・ヴィオリスト 野村謙介

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です