柔らかさと安定感と力のバランス

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 映像はオイストラフの演奏するブラームス、ヴァイオリンコンチェルト。音色の柔らかさと力強さが大好きです。丸々とした体形はドラえもんチック(笑)ですが、時にシリアスに時にメランコリックに、ダイナミックにも演奏できる技術。憧れます。
 今回のテーマは「柔らかさと「安定感」と「力」について、。関連のなさそうなことですが、演奏する上で身体(筋肉と関節)を動かす時に常に考えなければならないバランスです。

 ます「柔らかい物」で連想するものは?
マシュマロ・プリン・つきたてのお餅←食べ物ばっかり(笑)
 手触りとして感じるものに、ふかふかのお布団やモフモフの猫や犬の毛、泡立てた石鹸などが連想できます。その「柔らかい物」を強い力で押せば?潰れてしまいます。また、柔らかいものを動かせば?ふわふわと不安定な動きをします。
 つまり「柔らかさ」と「力強さ」「安定感」は反比例することになります。
 固いものならば、強い力に耐えることができ、安定した動きを続けることが可能です。
ならば、演奏中の「筋肉・関節」は固い状態=力を入れた状態の方が、安定感と力強さを両立できることになる気がしますよね?実際にはどうでしょうか。

  映像は男子の「床」演技。どの技をひとつとっても見ても、素人の真似できそうな技はありませんが(笑)身体の柔軟性と、スピード(瞬発力)、力技、バランス感覚など人間の肉体が持っている「運動能力」がすべて疲れている気がします。ヴァイオリンの演奏と比較すること自体、間違っている部分もありますが、テーマを考えると?同じことが楽器の演奏にも求められていることがわかります。「固い=安定」ではなく、「柔らかい=與斉」でもないことが見てわかります。
 ヴァイオリニストの中には「見た目には柔らかそう」な動きをしているのに、音が硬く美しさに欠ける演奏になっている人の演奏も見受けられます。「見た目」と「筋肉・関節柔軟性」は別物です。力にしても「表情」や「雰囲気」と無関係にか細い演奏もあります。

 楽器を演奏するために必要な柔軟性と強さは、一般的な秋力や背筋力、体前屈などでは測れないものが多くあります。むしろ、計測できない柔らかさと筋力が必要になります。
 一つの例が、指を「開く筋肉」です。握力は「握る力」ですから真逆の力です。
 また、肘を「伸ばす力」も一般のトレーニング機器ではなかなか鍛えられません。「カール」の逆の力です。外側に開く力でもあります。
 手首を横に動かす可動範囲を広げることも柔軟性の一つです。掌を下に向けて、左右に動かせる角度の大きさです。

 柔らかい動きを作り出すのは「太く柔らかい筋肉」です。同じ筋肉を瞬間的に速く動かす時にも「瞬間的に力を抜かための筋力」が必要です。
 演奏しながら身体の「どこか」が筋肉痛になることがありますよね?間違った使い方でいたいのか?正しい使い方をし始めたから痛いのか?見極めることが大切です。
 筋肉は一朝一夕には太くなりません。柔らかくもなりません。演奏補法を変えれば、今までと違う場所が筋肉痛になるものです。
身体を労わりながら、必要な「ストレッチ」と「筋力の増強」を考えた練習をしましょう!
 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

ヴァイオリニスト・ヴィオリスト 野村謙介
 

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