「妥協・諦め」と「許容・発想の転換」の大きな違い

このエントリーをはてなブックマークに追加

 映像は「アヴェ・マリア」をヴァイオリン・ヴィオラとピアノで演奏したものをつなぎ合わせてみた動画です。
 同じ音楽でもヴァイオリンで演奏した「印象」とヴィオラのそれは、大きく違うように感じますが、皆様いかがですか?

 さて今回のテーマは、音楽に限った話ではありませんが、「妥協・諦め」の行きつく先にある結果と、一見似て非なること「許容する・発想や視点を変える」ことで到達する結果の違いを考えるものです。

 私たちは出来そうにない事や困難なことに直面した時に「逃げる」という選択肢と「乗り越えようとする」選択肢のどちらかを選んでいます。自分の経験や先入観で「無理!」と思えば逃げたくなります。挑戦したことのない「壁」の場合、好奇心や達成感を優先すれば「やってみようかな?」と思います。挫折することを恐れたり、失敗して労力と時間を無駄にしたくないと思えば「やめておこう」と思います。まだ「挑戦していない」のに(笑)結論を予想しているだけですよね。 

 挑戦する前に「逃げる」ことが悪いとは限りません。色々な「結果」を考えたうえで「挑戦しないこと・諦めることを受け入れる」勇気も必要です。そのためには「視点を変えて考える」事が何よりも大切です。
 例えばオリンピックの競技種目「高飛び込み」は水面から10メートルの高さから、重力に逆らわずに(笑)水面に飛び込みます。時速60キロに近いそうです。訓練した選手でも手首の骨折や、肩の脱臼、鼓膜の破裂は日常茶飯事だそうです。そんな「高飛び込み」を素人の私たちがやったら?どうなるでしょう?「やってみないと!」って飛び込む人は?勇気があると言うより「おばかちゃん」ですよね。一つ間違えば、首の骨を折って即死です。
「どうしても!やってみたい」と思う人は技術と知識を身に着ける訓練をしてから挑戦すれば、きっとできます。
「できない」と諦めず「方法を考える」ことになります。

 練習してもできなかったり、結果が思ったように出なかったりした時「挫折感を味わいます。楽器の練習をすればこの挫折感を常に味わうことは避けられないと思います。私はそうです(笑)
 その挫折感は受け入れるしかありません。問題は「その先」です。出来ない・結果が出ない「原因」を探すことこそ「発想の転換」です。「失敗」というネガティブ=負のイメージを「出来るようにするには?」というポジティブ=前向きな発想に替えることです。

「やっても無駄」とか「どうせ変わらない」という言葉を安直に口にする人を「物分かりがいい・さばさばしている」と評価する人は「同類」です(笑)
出来る方法を考えない・考えて実行する人を見降ろして楽しむという「軽薄な人間」だと思います。
出来るかも知れない・実現する方法を考えて試す人は「思慮深い人」「賢明な人」だと私は思います。
 避けられない現実は必ずあります。
生物が「死」を迎えることもその一つです。どんなに科学が進歩した現代でも、この現実は避けられず受け入れるしかありません。辛くても苦しくても。
 避けられる「未来」もあります。それを実行するのが「知恵」です。どんな未来にするのか?したいのか?を考える「知恵」と、どうすれば?理想に近い未来に迎えるのかを考えて実行するのも「知恵」です。

 音楽を楽しむための努力は、楽しみをより「深く」「強く」「多彩に」味わうための努力です。結果を出すための努力ではなく、あくまでも「楽しむ」ために努力すべきです。努力=練習は楽しくないことがほとんどです(笑)
その先にある「楽しみ」のための労力と時間を「無駄」と考えるのは価値観の違いです。楽しみを求めないなら確かに無駄なことです。何のために?練習するのかを考えて、出来ない時には「発想を変える」ことをお勧めします。
 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

ヴァイオリニスト・ヴィオリスト 野村謙介

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です