性格と演奏の関りを考える

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 映像はカッチーニ作曲「アヴェ・マリア」です。
今回のテーマは、人それぞれの「性格」と演奏技術の関りを考えるものです。
 そもそも性格は自分自身で感じるものと、他人から見た自分の性格は違うことがあります。
性格を表す言葉として、どんなものがあるでしょうね。
1.主に「良い性格」として使われる表現
・陽気・朗らか・ポジティブ・前向き・社交的・穏やか・優しい・我慢強いなど
2.「良くない性格」と感じる表現
・暗い・陰気・ネガティブ・後ろ向き・内向的・挑発的・暴力的・短気など
3.良いとも悪いともとれる表現
・呑気(のんき)・おっとり・あっさり・こだわりが強いなど
他にもたくさんの表現がありますが、生活する中で自分が感じる「感情」や「行動」でも、性格を感じることがあります。
・失敗したり思ったように出来ない時の感情と行動
・出来るようになるまでの集中力と持続力・持続時間
・他人との関りの好き嫌い
・人生観
 子供の場合には、周囲の大人が感じる「性格」があります。兄弟でも大きな違いがあります。
成長につれて自分の行動や感情を「抑制」することが増えます。社会性とも言えますが、性格によってストレスに感じる人も多いのも事実です。特に他人との関りがある場面で、他人の行動や言動が我慢できないほどの「ストレス」に感じることがあります。
 電車の中で大声で話している人を「不快」に感じる度合いは、人によって違います。
マナーを守らない人への「苛立ち」も人によって違います。極端な例えで言えば、犯罪を犯す人の「心理」は通常の人には理解できないものですよね。と言いつつ、車の運転をする人で一度もスピード違反をしたことがない人や、駐停車禁止違反をしたことがない人は「誰もいない」のが現実ではないでしょうか?他人の違反は許せないが自分の違反には甘い…と言うのも一種の性格です。

 音楽を演奏する人にも、それぞれ違った性格があります。その人の性格が演奏に表れます。恐らく練習の段階に性格の違いが大きく関わると思います。結果として人前で演奏する音楽に「人柄」や「性格」がにじみ出るのだと思います。いくらにこやかな「演技」をしても、演奏が「押しつけがましい」「独りよがり」に感じてしまう事もあります。逆に演奏中の穏やかそうな表情や動きと裏腹に、情熱的だったりエネルギッシュな演奏に驚くこともあります。
 自分の性格が無意識に音楽に出てしまう事は避けられれないことです。頭~=理性でコントロール出Kない「癖」や「好み」が自然に演奏に表れます。
1.演奏にマイナスに感じる性格
・せっかち・押しつけがましい・攻撃的・我がままなど
2.聴く人にとってプラスに感じる性格
・おおらか・繊細・優しい・情熱的
3.良くも悪くも(笑)感じられる性格
・こだわりの強さ・臨機応変=こだわりの薄さ・思い切りの良さなど
 レッスンを受ける側、教える側でお互いの性格が「合う」場合と「合わない」場合があります。
一言で言えば「相性」です。短気な指導者とのんびりした弟子の組み合わせは「不幸」です(笑)
こだわりの強い指導者に、こだわりの薄い弟子の組み合わせもお互いが無駄な時間を過ごすことになります。
 性格の一致と不一致は、人間関係の難しさの象徴です。考え方が近い人同士なら、お互いにフォローしあえます。性格の合わない人と一緒に演奏しても、ひとつの音楽にはならないものです。
 演奏する人数が多くても少なくても、結局「協調」することができる人でなければ、音楽を一緒に演奏することはお互いを否定しあう結果になります。
 演奏に向いた性格があるとしたら?
1.協調性がある
2.ポジティブな思考ができる
3.穏やかな性格
だと私は感じています。…すべて自分に足りないものでした(笑)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

ヴァイオリニスト・ヴィオリスト 野村謙介

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