ヴァイオリンとピアノのためのソナタ

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 映像はデュオリサイタル1で演奏したブラームス作曲ヴァイオリンソナタ第1番第1楽章。今から15年前、私たちの初めてのデュオリサイタルでの演奏です。
 この曲は私が20歳の時に初めてリサイタルを開かせてもらった時のプログラムに居れた曲です。当時は全楽章演奏し、ほかにバッハの無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番を演奏しました。学生時代からこの曲「だけ」は(笑)室内楽のレッスンを受けていました。
 一般にピアノソナタは星の数ほど(笑)あるのに対して、ヴァイオリンとピアノのためのソナタは演奏される機会のあるものが限られています。
 一方でなぜか?ヴァイオリンは協奏曲に人気があります。
ピアノ協奏曲をアマチュアの人が練習することはあまり多い事ではないのですが、ヴァイオリンの場合にはソナタをレッスンで演奏することの方が少ないのが実状です。
 音楽大学の実技支点の場合で考えても、ピアノの場合はソナタが課題曲になることが多く、ヴァイオリンの場合は協奏曲が課題曲になります。
 理由を考えると、ピアノとヴァイオリンの為のソナタ=ヴァイオリンソナタの場合にはピアニストとヴァイオリニストが対等な関係で演奏するため、二人のアンサンブル=室内楽的技術が不可欠になります。ヴァイオリンの実技試験でピアニストと合わせる技術を評価するのは、ヴァイオリンの演奏技術以上のものを評価することになってしまう事がその原因だと思います。
 もちろん協奏曲=コンチェルトであっても「伴奏」に合わせる技術は不可欠です。ヴァイオリンソナタのピアニストは「伴奏」ではありません。あくまでもヴァイオリンと対等な関係の「ピアノ演奏者」として扱われます。本来コンチェルトでもソリストと共演する・協演するのが正しいオーケストラ(代わりのピアノ)であるべきです。ただコンチェルトでは「独奏」と言う言葉が用いられるために「伴奏」と言う表現になるのだと思っています。
 ヴァイオリンソナタは、ヴァイオリニストとピアニストが相手の演奏する音楽を自分の音楽の一部として考える能力・技術が不可欠です。一人だけで練習しても二人でソナタを演奏することは出来ません。それがソナタの美しさであり難しさでもあります。
 このブラームスのソナタは私の中で一番好きなヴァイオリンソナタです。
ちなみに動画の中で大傷が(笑)あるのですが…実はこの第1回のデュオリサイタルだけ、私は「楽譜を見ながら=譜面台を立てて」演奏しました。
 そして!譜めくりに失敗したのでした(涙)1小節休符の間に譜めくりする場所で見事に失敗したのには「深いわけ」がありまして、実は暗譜で弾こうか迷っていたのです。暗譜で弾けなくもなかったのになぜ?見栄なのか?譜面台を立てたばかりに演奏しながら「このまま暗譜で弾く!」と言う私と「いや!最後の曲だから譜面を見る!」と言う気弱な私が戦い、手を出す=譜めくりするタイミングを逃したのでした。とほほ・・・・
 教訓「見るなら迷わずに見る!」です。
いつかまた、二人でこの曲を演奏することもあるかも知れません。
今度は暗譜で演奏します!
 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

ヴァイオリニスト・ヴィオリスト 野村謙介

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