「音楽家って何か免許とか資格とか、いるのですか?」答えは「ノー」だといえます。
確かにコンクールで高い評価を得ることがひとつの評価基準であることは事実です。そして、その評価が日本では「肩書き」となり仕事をもらえる…つまり職業として生活していけることにつながりやすいのもまた、事実です。
では、そのコンクールで高順位にならなければ「下手」なのか?といえば、これはまた「ノー」です。さらに、
プロだから上手で、アマチュアだから下手という公式もありません。ヴァイオリンならヴァイオリンで長い時間、厳しい訓練と経験を重ねた人には、演奏技術の甲乙をつけることができます。でも好き嫌いとはべつの問題です。一方で、専門家でない人にとって演奏が上手いのか下手なのか?よくわからないのが当然のことです。ですから、よくインターネットでも見かける「あの人はうまい」とか「技術がない」とかという書き込みがありますが、本当にその方が技術の甲乙がつけられる人かどうかは定かではありません。その点でコンクールの審査員、特に国際コンクールともなれば専門家以外が審査することはありえないので、評価としては間違っていないでしょう。
では、音楽家になりたい思ったら?
ひとつの方法として、音楽を専門に教えてくれる学校に通うことがあります。
ただ、これも色々な学校があるので一概に「音楽学校」といっては問題があります。
学校で言えば、文科省が区分けをしています。普通科の学校なのか、音楽科の学校なのか?専門学校なのか、大学なのか?などです。音楽の学校に行ったから上手くなるわけはありません。卒業したからといって プロになれるわけでもありません。あくまでも、本人がうまくなるか、ならないか?だけの問題です。消去法で進学する学校を決める若者が多い現実を学校の教員をしていて強く感じていました。悲しいことだと思います。自分が行きたいから行くのではなく、行けるところがあったからいく。これで本当にスタートしてしまうのかと心配になります。スタートしてから頑張ることももちろんできますが、消去法で進路決めるのはいかがなものでしょうね。
で、音楽。どんな分野でもそうですが、入試は落ちるか受かるかの二つに一つです。
惜しい。は落ちたことになります。
この入試に勝ち残る強い意志がなければまず、学校に入れない。
運だけではいったとしてもその運が一生涯続くとは思えません。
そして、音楽を職業とするならすべてのことに興味と関心を持つことだと思います。
若いうちは苦手だったことも、音楽家として成長するうちに必要になってくることもたくさんあります。
まずは、本気になること。
これに尽きると思います。音楽学校受験生の皆さん。入試までの限られた時間を必死に駆け抜けてください。