新型肺炎対応


世界的な感染拡大をしているコロナウイルスによる感染拡大。
なによりも感染された方の回復をお祈りします。

総理大臣の「思い付き発言」は科学的な裏付けなどは何もありませんでした。
専門家の意見は真逆でした。さらにWH0の発表で、子供の感染リスクは極めて低く、
高齢者への対応が何よりも優先されなければなりません。
イベント中止の要請も同様です。本来、具体的な状況を示して注意喚起を行うべきです。
東京マラソンはなぜ?人が集まってしまったと喜ぶ知事が許されるのでしょう。
コンサートをキャンセルするアーティストは「自己破産覚悟」です。
その裏で政府の総理大臣、大臣、補佐官は平然とパーティーや宴会を開いたり参加しています。

PCR検査は民間の検査機関を使わせたくない感染研救助の利益を守るために今日まで制限されています。
間違いなく、これから検査が増えるにつれ、感染者が増えます。
増えるからこそ集団感染を抑えられます。その「感染者数」を低く抑えたい政権の意図は明らかです。

メリーミュージックは民間の音楽教室・楽器店です。本日の国会予算委員会で
「塾について学校同様に休業を求めている」と場当たりに答弁されました。
「倒産したら責任は政府がどう?とるのか」という質問に対し
「そうなる前に対応していただく」はぁ???
要するに「責任」とは言葉だけです。
私たちは自分の生活と健康を自営するしかない国になりました。
すべては「科学的な裏付け」と「国民の生命を守る政府」があってこそです。
両者がない現在、教室の閉鎖は行えません。ご理解をお願いいたします。
メリーミュージック代表
野村謙介

演奏会を終えて


久ぶりのの更新です。
心臓はその後、元気に鼓動してくれています。ご心配下さり、ありがとうございました。
昨年12月20日、今年1月5日の二回、私(野村謙介)と妻浩子のデュオリサイタルを行いました。
12回目のリサイタルでした。反省も新しい発見もたくさん。
そして、1月19日にはメリーオーケストラの第37回定期演奏会が行われ、304名のお客様と73名の演奏者が音楽を楽しみました。

演奏会を開くことは、簡単なこと?
会場となるホールを予約することから始まり、使用が許可されればその時点で、ホールの使用料金を支払います。
準備のための時間、後片付けのための時間にも当然、料金がかかります。
入場料を取る場合はさらに金額が高くなります。
そうした前払いの料金は、当然主催者が支払うわけですから、ある意味で「賭け」とも言えます。
演奏会当日に大雪や台風などでも日程を変更することはできません。
演奏会当日までに、演奏の練習をするのは当たり前ですが、実はそれ以外の準備が労力と時間を使います。
演奏会ポスターの作成。
当日配るプログラム印刷のための準備。
ホールとの舞台や機材の打ち合わせ。
スタッフの確保等々、考えればきりがないほどです。
それらを専門に扱う人がいる場合、例えばプロオーケストラならば事務局、
大きな音楽事務所なら演奏者以外の専門の人が担当します。
私たちの演奏会は、そんな人はいません。欲しくてもそんなお金はありません(笑)

集客力。つまりは何人のお客様が演奏会に来てくださるか。
このご時世、財布のひもは過去最高に固く締められています(涙)
演奏会に「行こうかな?」でも、日々の出費、お子さんの教育費を優先するのも当然です。
演奏会の演奏曲、独奏者はとても大切な要素です。

演奏会に足を運ぶ方は必ずしもクラシック音楽の愛好者ではありません。
一人でも多くの方に私たちの演奏をお楽しみいただくために、曲目と入場料を考えています、
NPO法人(特定非営利活動法人)が演奏会で入場料収入をを得ることは、認められています。
ただ、入場料が500円になっただけで、来場者数は半減しました。実際にあったことです。
その経験から、メリーオーケストラでは演奏会にかかるすべての費用を、会員が月々に支払う「会費」と
趣旨に同意して下さる「賛助会員」からの「賛助会費」、それだけでは足りなの為、会員が演奏会ごとに
「演奏会参加費」を支払って行っています。
広告をプログラムに載せ、広告収入を演奏会費に充てることは、NPO法人では「その他の事業」と扱われ制約があります。

リサイタルは「有限会社メリーミュージック」が行っている事業です。
こちらは音楽事務所でもあるメリーミュージックがすべての運営を行います。
入場料を頂いています。実際には、開催に必要な経費より少ない収益です。簡単に言えば「赤字」です。
それでも開く価値が私たちにはあります。自分たちの演奏技術を常に高める気持ち。
そして、そのことを生徒さんに伝えるために。
これからも、苦しい中で私たちが自主運営するこの演奏会は続けていきます。
一人でも多くの方に、私たちの演奏を楽しんでいただくために、長々と書かせていただきました。
最後までお読みいただき。ありがとうございました。

メリーオーケストラ理事長
メリーミュージック代表
野村謙介

心不全で入院~退院

2019年6月7日(金)~2019年6月22日(土)
東京医大八王子医療センターに緊急入院しました。
最終的な病名「拡張型心筋症」でした。
緊急入院当初、心不全の状態でした。
生まれて初めて、命に関わる病気にかかりました。

16日間の入院生活で多くのことを学びました。
人の優しい気持ちが、他人の命を救うこと。
生きることへのエネルギーは他人の優しさが源。
病気に気づくことは、自分の無理な生活に気づくこと。
収入のためだけに生活すれば、生きることさえ、できなくなる。
入院生活で知る、高齢者の言動に見るエゴイズム。
患者に接する、看護師や医師のスキルとチームコミュニケーション能力。

今でも心臓は通常の30~50パーセント程度の働きしかしていません。
でも、心不全の状態から完全に脱しました。
さらに言えば、ここ数年来の体調の中で、
最高に良い状態です。
つまり、数年前から私の心臓は日々、弱り身体に警告を出してたんです。
拡張型心筋症は治療法のない難病指定の病気です。
血圧を下げ、尿を出し、心臓の動きを助ける薬を飲み続け、
一日の塩分(6~8ミリグラムまで)、
一日水分摂取量を800~1000ミリリットルに抑えることで
体液の増加を抑え、心臓の負荷を減らしますt。
さらに週に3~5日、有酸素運動をすることで、
血圧維持(心臓のポンプ機能の促進)を心がけます。

「生活に気を付けること」が「生きるための必須」になりました。
今までの自分の「真逆」です。

浩子先生の介護がなければ、入院生活はできませんでした。
「夫婦だから」なんて薄っぺらいことではありません。
人間の他人への優しさが、その他人の命を救うことになります。
それは多くの友人、先輩、後輩、生徒さんからのメッセージや、
お見舞いに来てくださった人との会話からも感じました。
言葉やお見舞いでなくても、レッスンを待っていてくれる生徒さんの
優しさにも、感動して涙が出ました。

ありがとうございました。

病室のほとんどは高齢者、75~90歳の方でした。
人間のエゴイズムは高齢になり、他人の手を借りて生きるようになると
一気に表に出ます。同室にいて、何度となく怒鳴りたくなりました。
耐えましたが(笑)
家族には弱弱しく「助けてオーラ」を出しながら
掃除のスタッフには「今やるなよ!」「あっちにいけよ!」と大きな声で同じくらいのお掃除スタッフを怒鳴ります。。いや怒鳴れます。
担当医が来るとまた「私だけ助けてくださいオーラ」全開。
何人もいました。自分はかわいそうだ。他人にそう思ってほしい。
自分より下だと思う人間には、同情されたくない。関わりなくない。
人間の一番、醜い部部です。

医療センターは若い看護士や研修医が患者に接します。
それを先輩が指導とフォローをし、さら士長や教授が部下を統括します。
入院中の山場、心臓にカテーテル(細い管)を入れる検査の当日、
私の「検査予定時刻」が看護師と医師の間で混乱しました。
医師チームは前日に「明日は午後一番で行います」と私に直接伝えてくれました。
その情報が、看護士たちに伝わりませんでした。
私が新人の看護師に厳しくい言ったのは…
「連絡ミスは仕方ない。あなたたちは午前中の予定で動いている。
先生たちは午後の予定で動いている。どちらかが正しい。
あなたたちの間違った準備が、結果的に命に係わるミスになるかもしれない。
すぐに調べなおせ!」
士長が医師団に確認し、私に誠心誠意謝ってくれました。
医師と看護士のコミュニケーション不足が招いたミスでした。
これは自分の仕事に置き換えて反省しきりです。

数年間より元気に感じる今、
数年間悪くなり続けていた心臓からのメッセージに耳をふさぎ
逃げるように仕事に没頭した「天罰」でした。

出所(退院)し建物から2週間ぶりに娑婆(外の世界)に出て
帰宅し、ぷりんを抱っこし、珈琲を入れて数口、飲んで…
今日からの生き方を考える野村でした。

これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

メリーミュージック代表 野村謙介

電子ピアノを考える


多くの生徒さんが練習用に「電子ピアノ」を使われています。
アップライトピアノ、ブランドピアノ。どちらにしても、大きく重く、置き場に困るだけではなく
引っ越しすることになると大変ですね。値段も高い!(笑)
電子ピアノは「ピアノ」の音以外にも「オルガン」やその他の楽器の音を出すことができるものがほとんどです。
ただ、問題はピアノの音が「本物のピアノ」の音に近いのか?
そして「本物のピアノ」の鍵盤のタッチとどれだけ近いのか?

私は以前教員時代に、学校の備品でいくつもの電子ピアノやシンセサイザーを購入し使用しました。
ピアノは音楽室と体育館にしかありませんでした。例えば大きな教室で校歌の伴奏をすることもありました。
また、屋外でのスポーツ大会閉会式でも「電子ピアノ」が活躍しました。
もちろん録音しておいたテープ(今ならCD)を使うこともできましたが、実際に演奏する姿は必要でした。

さて、今どきの電子ピアノについて。
一言でいうと「すごい!」
鍵盤のタッチも限りなくピアノに近い「機種」もあり、
音色も本物のグランドピアノの音の響きにそっくりな「機種」もあります。
あえて「機種」と書いたのは、そうではない電子ピアノも多いからです。
電子ピアノは「電気製品」ですが、演奏に使う場合は「楽器」なのです。
本物の楽器にどれだけ近づけられるか?が電子ピアノの性能でもあります。
案外、見落とされがちなのが、音の出口である「スピーカー」です。

電子ピアノには大きく分けて
①本体にスピーカーが内蔵されているもの
②専用のスタンド(いわゆる足の部分など)にスピーカーが埋め込まれているもの
③外部のスピーカーにつないで音を出すもの
に分かれ、それぞれ一長一短があります。
①の場合、多くは持ち運びが楽です。ただ、音が小さく音色も満足できるものではありません。
ただ、ヘッドホンを使って聞けば十分にいい音が出ています。
②が「電子ピアノ」と一般的に呼ばれている多くのタイプです。
持ち運びは分解しないと大変です。重たいので簡単に移動は困難です。
音はというと、「スピーカーの数とアンプの出力数」で決まります。
部屋で楽しむには十分な音量と音色が出せます。
③の電子ピアノを私は使っています。
まず本体以外に「アンプ」が必要になります。
電子ピアノとケーブルでつないで、信号をアンプに送ります。
キーボード専用のアンプを使っています。
エレキギターで使用する「ギターアンプ」やエレキベースギターで使用する「ベースアンプ」
さらに、声(歌=ボーカル)を大きくするときには…

PAシステムと呼ばれる「拡声装置」を使います。アンプとスピーカー、マイクなど一式を指します。
キーボードアンプは一番、数が少ないのですがちゃんと販売製造されています。
まさにキーボードの音をきれいに大きく出すために特化したアンプです。

このアンプの大きさ(ワット数とスピーカーの大きさ・数)で音量と音色が決まります。
本物のグランドピアノの音量、音色を再現するために必要なワット数があります。
現在、使用しているキーボードアンプは、モノラルで200ワットのの出力があります。
これと電子ピアノをつないて音を出した場合、電子ピアノのマスターボリュームが
10段階なら3から4程度。アンプのボリュームは10段階の4から5程度で
グランドピアノの音量と同じか、それより若干大きな音が「ひずまずに」だせます。
つまり、コンサートで使用することも可能だということです。
録音するときは、直接録音する機会に接続できます。
つまりマイクを立てる必要がなくなり、録音された音は私の感覚では
「本物のピアノより本物に近い」音がします。
なぜなら、それが本来の電子ピアノの性能だからです。
本物のピアノはむしろ「大きな会場」で演奏して、客席に音が響き渡るために大きなグランドピアノを使います。
録音するときは、どこにマイクを何本立てるか、とても難しいことです。
私たちが普段聞くCDの音は、とても高度な技術(マイキングと言います)で録音しています。
むしろ、電子ピアノなら録音された本物のピアノの音を基にしていますから、
出す音も「録音された本物のピアノの音」なのです。

こだわりのセットは以下のものです。ご参考に。

・KORG(コルグ)Grandstage GS-1 88鍵盤
・Peavey(ピーヴィー) KB-5
ぜひ、一度メリーミュージックで体感してみてください。
野村謙介

目指すものは小さな発見から

リサイタルに向けて練習しています。
「プロなんだから当たり前でしょ」
「プロなんだから練習しなくても弾けるでしょ」
そんな声も聞こえてきそうです。
毎年のリサイタルは自分の技術を高めることが一番大きな目標です。
ヴァイオリンを習い始めて約50年。半世紀ですね。
でもその間に師匠たちが「やる気のない生徒」の私に根気よく教えて下さったことの数々。
自分なりに「これが正しい」…「のかな?」と思い込み、疑問を持たずに「ただ」弾けるようになることが練習だと思い込んでいました。

でも!

リサイタルの後に同門の先輩からいただいた「天の声」がありました。
自分の弾き方の「何が悪いのか」「どうしてこうなるのか」を
「初歩」まで立ち返り、思い切って変えています。
日頃、生徒さんの弾き方を見ながら「偉そうに」指摘しているのに
自分の「基礎」が間違っていたことを発見しました。
慣れ親しんでしみついてしまった「間違った技術」を時間をかけて矯正します。
どの位時間がかかるのか想像もできませんが、自分の目指す演奏を見つけるために、自分の音を聞きなおしています。
ヴァイオリン、ヴィオラを持ち替えながら、曲を思い出しながら。
リサイタルで未完成ながら、今までと少しでも音が変化していることを、皆さんに伝えられればと思っています。

練習が面白いと思えるようになった58歳。
遅かったけど遅すぎることなんて何もない。
久保田先生。頑張ります。

野村謙介

11回目のデュオリサイタル

今回で11回となる私(野村謙介)と妻野村浩子(先生)とのリサイタル。デュオリサイタルページ

今年は過去10回のリサイタルで演奏した多くの曲の中で、特に私たちの好きな曲を新たなアレンジや楽器を変えてみたり。もちろん、初めてお聞きただく曲もあります。

昨年のリサイタル以来、ボーイングと慣れ親しんだ左手の運動を見直して、少しでも自分の目指す音に近づける努力をしてきました。

まだまだ未完成ですが、より柔らかく透明な音をイメージしていただければ幸いです。

今回の演奏予定曲の一部です。(順不同)

「懐かしい土地の思い出」より瞑想曲(チャイコフスキー)

ロマンティックピースより(ドボルザーク)

「無言歌集より」…ヴィオラ(メンデルスゾーン)

アダージョとアレグロ…ヴィオラ(シューマン)

G線上のアリア…ヴィオラ(バッハ)

アヴェマリア…ヴィオラ(カッチーニ)

その他にも聴きなじみのある「歌」をヴィオラやヴァイオリンで演奏する予定です。

小さなお子様連れでも、障がいのある方でも一緒に音楽を楽しんでいただくコンサートですのでご了承の上お越しください。
みなさまのご来場を心よりお待ちしております。

野村謙介

夜盲症のための「夢の眼鏡」HOYA MW10 HiKARI


すでにご存知の方も多いと思いますが、私(野村謙介)は生まれつきの目の病気「網膜色素変性症」という進行性で治療法のない病気の患者です。
中途失明者の中で2番目に多いのがこの病気です。
「夜盲」という暗いところでものを見ることができない症状と、「視野狭窄」という視野が欠けていく症状が進行します。
IPS細胞や遺伝子治療で世界中の眼科医が治療方法を研究し続けていますが、治療の開始はおそらく10年以上先になります。その間に多くの患者が失明します。
夜盲に苦しむ私たちの為に眼鏡メーカー「HOYA」が何年もの歳月と様々な臨床を繰り替えしてできた「デバイス」がこのMW10です。商品名は「HiKARI」まさに光です。開発の初期からメーカーの方に患者として意見を求められ、機械好きな私が言えるいろいろなお願いも聴いてもらって完成しました。
皆さんの周りであまり見かけない、聞いたことのない病名かも知れませんが、世界に150万人以上、日本だけで3万人(実際には5万人以上いると言われています)の患者がいるのをこの機会に知っていただければ嬉しく思います。
11月1日に全国での販売がスタートし、メディアにも公開されました。
その動画が上の映像です。
スタートから5分50秒辺りから私のリサイタル時の演奏風景と、コメントがありますので、ぜひご覧になって、多くの方にこの「夢の眼鏡」の完成と病気のことをお知らせ頂けることを願っています。

第23回小さな音楽会を終えて


生徒さんによる演奏は「人に聴かせるため」のものではなく、自分の練習を振り返り課題を見つけるためのものです。いってみれば「自分のための教材つくり」です。今回も、多くの生徒さんが日頃の成果を発表しました。
今回はその記録の方法にこだわり、演奏者が聞いている音と客席で聞こえる音を同時に録音し、それを映像に合成しました。
より鮮明に録音することで「演奏の荒」が浮き彫りになりますが、CDなどと違い、ましてや先ほど書いたように「人に聞かせるためではなく自分の教材」として小さな音、繊細な音色をCDの音質で記録しました。
記念品でもありますが、むしろ「復習の材料」なのでぜひ聞き返してみてください。
アップした動画は画質も圧縮したものですし音も悪いのですが、BD(一人分・兄弟の分ならDVDで)はハイビジョン(HD)とPCM(CD音質)で記録されています。
多くのことを自分の演奏を何回も見返すことで見つけてください。
「誰がうまい」と比較しても全く無意味です。みんな環境や条件が違うのです。
自分の演奏の良い面があります。課題もあります。
それを見つけることが何よりも大切なことなのです。
ぜひお申し込みください。

発表会の記録

10月21日に実施する教室の発表会。
今回も多くの生徒さんが積極的に演奏を発表します。
アマチュアの演奏をお互いに聞きあうことが目的です。
なによりも、自分がステージで演奏する緊張感と達成感を楽しんでもらいたいと願っています。
失敗することを恐れていては楽しむことはできません。
失敗しないように練習することが、悔いを残さない演奏のための唯一の方法です。
演奏後、自分の演奏を冷静に見返すことも大切な上達方法です。
「失敗したから聞きたく(観たく)ない」という気持ちはよくわかりますが、
冷静に見返してみると、思ったよりもいい音が出せていたり、
普段うまく弾けなかったところが「お!弾けてる!」と思わず拍手したくなることもあります。

私(謙介)の師匠門下生の発表会で、師匠のこだわり「録音」がありました。
銀座ヤマハホール。師匠が録音機材をお持ちになります。
生徒一人一人に渡すためのカセットテープと、保存用のマスター録音カセット。
マイクは「ショップス」という超マニアックなステレオペアマイク。
リハーサルはマイクの微妙な高さと向きを決めるための「録音リハーサル」でした。
当時「そこまでこらなくても」と思ったのは正直な気持ちでした。
40年以上たって、今聞き返すと、師匠のこだわりの意味が伝わってきました。
「音だけ録音すればよい」のなら、スマホで十分です。
今回、ハイビジョンビデオにより「演奏者の耳で聞いた音に近い音」で録音してみます。
昔と違い、デジタルでの録音が主流なので、マイク選びも難しくなりました。
師匠の発表会で一緒に録音していたプロのレコーディング技師の方にも相談しました。
必要な機材も新たに調達し、みなさんの演奏を「精密に」録音します。
お楽しみに!

中高生の音楽部活動


この映像は2003年3月にみなとみらいホールで撮影しました。
1985年学校開設時から私が勤務し作り上げた150名の日本でも最大級のオーケストラの演奏会です。
週に一度だけの合奏。その他の日は各自の予定に合わせて自己責任で合奏までに練習。中学生の下校時間は5時30分。高校生でも6時。中高一貫の学校で、始めて楽器を手にした子供たちがその年に演奏会に出るための指導は、中2の生徒。中2は中3が教える。最終的に高校2年生が全体の責任を負います。
この映像は演奏会のアンコールとそれに弾き続く高校2年生の引退セレモニーの風景。さらにエンドロールが続きます。見ていて涙がこみあげてくるのは「演出」を超えた子供たちの素直な達成感です。それを追いかける後輩たちの涙も純粋なものです。技術レベルも「週に一度の合奏」でここまでできます。私には十分だと思います。コンクールに背中を向け、ひたすら「自分たちの演奏」をする子供たち。「歴史は守るもじゃない。全員で常に創るものだ」と教えてきました。それで十分だと思っています。
ブラック部活のように「必死に練習」するより、子供の素直な心に沿って練習することを切に願っています。