電子ピアノを考える


多くの生徒さんが練習用に「電子ピアノ」を使われています。
アップライトピアノ、ブランドピアノ。どちらにしても、大きく重く、置き場に困るだけではなく
引っ越しすることになると大変ですね。値段も高い!(笑)
電子ピアノは「ピアノ」の音以外にも「オルガン」やその他の楽器の音を出すことができるものがほとんどです。
ただ、問題はピアノの音が「本物のピアノ」の音に近いのか?
そして「本物のピアノ」の鍵盤のタッチとどれだけ近いのか?

私は以前教員時代に、学校の備品でいくつもの電子ピアノやシンセサイザーを購入し使用しました。
ピアノは音楽室と体育館にしかありませんでした。例えば大きな教室で校歌の伴奏をすることもありました。
また、屋外でのスポーツ大会閉会式でも「電子ピアノ」が活躍しました。
もちろん録音しておいたテープ(今ならCD)を使うこともできましたが、実際に演奏する姿は必要でした。

さて、今どきの電子ピアノについて。
一言でいうと「すごい!」
鍵盤のタッチも限りなくピアノに近い「機種」もあり、
音色も本物のグランドピアノの音の響きにそっくりな「機種」もあります。
あえて「機種」と書いたのは、そうではない電子ピアノも多いからです。
電子ピアノは「電気製品」ですが、演奏に使う場合は「楽器」なのです。
本物の楽器にどれだけ近づけられるか?が電子ピアノの性能でもあります。
案外、見落とされがちなのが、音の出口である「スピーカー」です。

電子ピアノには大きく分けて
①本体にスピーカーが内蔵されているもの
②専用のスタンド(いわゆる足の部分など)にスピーカーが埋め込まれているもの
③外部のスピーカーにつないで音を出すもの
に分かれ、それぞれ一長一短があります。
①の場合、多くは持ち運びが楽です。ただ、音が小さく音色も満足できるものではありません。
ただ、ヘッドホンを使って聞けば十分にいい音が出ています。
②が「電子ピアノ」と一般的に呼ばれている多くのタイプです。
持ち運びは分解しないと大変です。重たいので簡単に移動は困難です。
音はというと、「スピーカーの数とアンプの出力数」で決まります。
部屋で楽しむには十分な音量と音色が出せます。
③の電子ピアノを私は使っています。
まず本体以外に「アンプ」が必要になります。
電子ピアノとケーブルでつないで、信号をアンプに送ります。
キーボード専用のアンプを使っています。
エレキギターで使用する「ギターアンプ」やエレキベースギターで使用する「ベースアンプ」
さらに、声(歌=ボーカル)を大きくするときには…

PAシステムと呼ばれる「拡声装置」を使います。アンプとスピーカー、マイクなど一式を指します。
キーボードアンプは一番、数が少ないのですがちゃんと販売製造されています。
まさにキーボードの音をきれいに大きく出すために特化したアンプです。

このアンプの大きさ(ワット数とスピーカーの大きさ・数)で音量と音色が決まります。
本物のグランドピアノの音量、音色を再現するために必要なワット数があります。
現在、使用しているキーボードアンプは、モノラルで200ワットのの出力があります。
これと電子ピアノをつないて音を出した場合、電子ピアノのマスターボリュームが
10段階なら3から4程度。アンプのボリュームは10段階の4から5程度で
グランドピアノの音量と同じか、それより若干大きな音が「ひずまずに」だせます。
つまり、コンサートで使用することも可能だということです。
録音するときは、直接録音する機会に接続できます。
つまりマイクを立てる必要がなくなり、録音された音は私の感覚では
「本物のピアノより本物に近い」音がします。
なぜなら、それが本来の電子ピアノの性能だからです。
本物のピアノはむしろ「大きな会場」で演奏して、客席に音が響き渡るために大きなグランドピアノを使います。
録音するときは、どこにマイクを何本立てるか、とても難しいことです。
私たちが普段聞くCDの音は、とても高度な技術(マイキングと言います)で録音しています。
むしろ、電子ピアノなら録音された本物のピアノの音を基にしていますから、
出す音も「録音された本物のピアノの音」なのです。

こだわりのセットは以下のものです。ご参考に。

・KORG(コルグ)Grandstage GS-1 88鍵盤
・Peavey(ピーヴィー) KB-5
ぜひ、一度メリーミュージックで体感してみてください。
野村謙介