意欲こそ上達の秘訣

この動画で演奏しているのは高校3年生の男子生徒さん。
彼は3年ほど前に私の教室でヴァイオリンを始め、昨年の4月からピアノを始めた「ごく普通」の男子です。
おとなしく穏やかな印象の彼は、ファミリーレストランのバックヤードでアルバイトを続け、1年がかりでヴァイオリンを購入しました。高校生になるまで楽譜も読めなかったのですが、自分の好きな曲を時間をかけて覚えて練習してきます。この意欲こそ、上達の秘訣とも言えますね。習った期間や能力など、関係ありません。彼の今の夢はヴァイオリン製作者になることだそうです。私も全面的に応援していくつもりです。


いよいよ夏休み!

多くの小学生たちが今日から夏休みですね。初日から雨模様の相模原。家庭で過ごす時間が少なくなった現代だからこそ、長期の休みには家族で過ごしてほしいと思うのですが、もちろん家庭ごとに環境が違うので難しいですよね。子供にとって「学校に行かない」ことを感じられるこの夏休み、ぜひ、一生の思い出に残る夏休みにしてあげてください。例えば「ヴァイオリンがすごく上手に弾けるようになった夏休み」なんていかがですか?今までと違う生活のリズムの中に、ヴァイオリンを練習する時間を組んでみるのはどうでしょう。上達を感じられれば必ず練習したくなります。子供にとって夏休みは一年に一度、義務教育で9回経験できる貴重な機関です。部活もほどほどにして、普段できないことに打ち込ませてあげてください。

小さい小さいぷりん
小さい小さいぷりん

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ちびまる頭ちゃん
ちびまる頭ちゃん

ベルリン・フィル12人のチェロ奏者演奏会に。

日曜日、サントリーホールに行ってきました。
2年前にも同じコンサートを浩子先生と二人で楽しみました。
このベルリン・フィルの12人のチェロ奏者たちは、もちろん普段は世界中を飛び回るベルリン・フィルハーモニーのメンバーとして演奏しているいわゆる「オーケストラメンバー」です。
彼らの演奏を聴いていると理屈抜きに気持ち良いのです。
うまいとか、すごいとか、そんな表現が当てはまりません。
彼らにしかできない演奏を、長い歴史を引き継ぎながら、常に新しいことに挑んでいることも音楽に現れます。
まさに「音」が私の体に溶けていく感覚です。ホールの空間に漂う音。決して大きい音でもないのですが、どんな再生装置にも作れない空気の振動を感じます。
演奏の様子はYOUTUBEなどでも楽しめますが、会場で感じる音とは別のものです。当たり前ですが…。そんな演奏をする人が世界に存在し続けることが素晴らしいと思うのです。一人では決して実現できないことなのです。素晴らしいソリストは世界中にたくさんいます。また、素晴らしいオーケストラもたくさんあります。12人という人数だからできること。常に次世代を見据えて活動するからできること。彼らにしかできないことなのかもしれませんが、その一部だけでも自分が音楽を通してできることがあると、信じながら今日もお仕事しています。

素敵な生徒さんたち

先日、体験レッスンを受けて、即入会された男性の生徒さん。
職場の仲間5人で「これから始める趣味を持とう」という話になったそうで、
今までやったことのない楽器を10月末に職場で発表しようというとても素敵な目標を作ったそうです。
しかも、自分で楽器を決めるのではなく、お互いが「君は○○で▽▽の曲を弾く」とお互いに決めあうという
なんともこれまた素敵な話。入荷した生徒さんは、昔エレキベースを弾いていたことがあるそうで、でもそれとは関係なく
「ヴァイオリンで君をのせてを弾く」ことを勝手に決められたそうです。いいですねー。
そして、体験レッスンのその日、ヴァイオリンセットをご購入。ケースは赤。これまた似合ってしまう。
明るい話題のない日本で、こんな素敵な趣味の世界を広げる人たちに拍手です。
ぜひ、皆さんの職場でもこの「これから楽器を初めて発表しよう!」という提案をしてみませんか?
格好だけで中身の伴わない「オーケストラごっこ」に満足する謎の生徒さんもいましたが、
きちんと目標設定をして楽器の演奏を本当に楽しもうとする気持ちがあれば、きっと素晴らしい演奏ができます。

もう一つ、いいお話し。
教室で作曲を習っている若い男性の生徒さん。
とても個性的な生徒さんで、複雑な事情で文字を読むこと、書くことができません。
でも、自分のスマホで打ち込んだ曲が100曲以上。その曲を、完成させたいと教室を訪れてくれました。
担当してくれている野平くん(先生)が彼の心を解きほぐしながら、熱心にレッスンしてくれ、素晴らしい才能を発揮してくれています。
趣味で吹いているオカリナがとてつもなく素敵な演奏。
ピアノで曲を作る時も、先生が2小節前からもう一度弾いてと指示すると、頭の中の楽譜をきちんと2小節前に戻して即座に弾き始められます。
これってすごい能力です。ただ楽譜を暗譜しているわけでhなく、音楽を小節単位で頭の中に並べていることになります。
でも文字は読めない。人間の能力はすごいですね。彼を見ていると「自分は何ができるんだろう」と戒められる気持ちです。
音楽家になるための教育と経験にあぐらをかいているプロ。
もっと自分の能力に謙虚にならなきゃと思うのでした。