小さな音楽会終了


39組の熱演が終わりました。
幼稚園の子供から大人まで。音楽を演奏する楽しさを感じました。
誰かに聞かせることより、自分が満足する演奏を目指すアマチュア演奏家の演奏は
美術より本人の個性を感じるものです。

動画の演奏は高校生の演奏。同じ学年の二人が競い合わず、それぞれが楽しんで自分の好きな曲を好きなように弾いています。

誰でも音楽を楽しめます。それが自由であることの喜びです。

発表会に向けて

「人前で演奏する」ことが初めての生徒さんがたくさん、いらっしゃいます。

その生徒さんの中でも、大人の生徒さんの緊張は子供に比べてとても大きなものです。
初めての方に限らず、楽器を舞台で一人、演奏する経験はある意味で「不安」なものです。
不安と緊張が重なって、上手に弾ける自信がなくなるものです。
不安も緊張も、完全に失くしてしまうことはできません。むしろ普通のことです。
その不安と緊張を感じながら、どうしたら満足のいく演奏が出来るのでしょうか?

私たち演奏家が幼いころから舞台でいつも緊張せずに演奏していたわけではありません、
むしろ皆さんと同じように、舞台で「あがって」ガタガタ震えた経験を持っています。
その繰り返しをするうちに、様々なことに気が付きます。
「練習で緊張すること」
そうです。普段の練習で舞台で演奏する緊張感を持って弾くことが必要なのです。
練習で思うように弾けないのは、まだ練習が足りないから‥だけではありません。
たくさん時間をかけて練習すれば、出来るようになることは増えます。ただ、
舞台で弾いている自分をイメージしながら練習することが大切です。

さらに大人の場合、自分の演奏に満足できないので、不安がさらに強くなります。
そんな生徒さんにアドバイス。

「舞台では自分が主役。」
「聞いている人は失敗を気にしていない。」
「自分の弾けることだけ弾けばそれがすべて」

練習でうまく弾けない場所があれば、弾ける速さに遅くすればよいのです。
それでも難しければ、弾けるように楽譜を変えても良いのです。
音楽は「これが正しい」という正解はありません。
むしろ、大人の生徒さんは自分の演奏を客観的に聞けず、気持ちだけが空回りしているケースが多いのです。

私たち指導者が、正しい指導を、時間を十分にかけたとしても、
演奏する生徒さん自身が、自分の演奏に満足できるか?できないか?は
生徒さんにしか決められません。自分の演奏にだけ、集中することです。
どんなにたくさん人がいても、たとえ聴衆が一人でも、自分が満足できればそれでよいのです。

「それでもうまく弾ける気がしない!」という方へ。
舞台で演奏するのは、普段の自分とは違う人格の「別人」なのです。
自分の姿を自分の眼で見ることは人間にはできません。
自分の声を他人が聞いている状態で聞くことも人間にはできません。
自分が出している音が、どう人に聞こえているかは自分にはわかりません。
つまり、自分が「下手だ」と思っていても聞いている人が「下手だ」と思うことはないのです。
楽器を演奏する時は、主役になりきることです。おびえることはありません。

みなさんの演奏はみなさん自身のためだけにあるのです。
それがアマチュアの音楽の醍醐味なのです。

演奏することを楽しむ自分をイメージしながら練習してください。

野村謙介

恩師と40年ぶりの再会

20170902
私のページに書かせていただいている、恩師のおひとり安良岡ゆう先生と40年ぶりの再会を果たしました。

中学校3年生だった私に、ヴァイオリンで音楽を演奏することを「一から」「手取り足取り」教えてくださった恩師です。
もし、安良岡先生に出会わなければ、音楽の道に進むことはなかったはずです。今、私が使っているヴァイオリンを初めて弾いてもらったのも安良岡先生。入試のために必要な技術をすべて教えてくださったのも、音楽の作り方も、楽器の鳴らし方も、すべて習った気がします。

私が高校に入学する年に大学を卒業され、すぐにスイスに留学され、その後もヨーロッパを中心に演奏活動を続けられていたため、お会いする機会がありませんでした。

9月2日。高校生の生徒さんのレッスンを特別にしてくださったのですが、生徒より私が緊張しました。

レッスン後、自宅にお招きし昔話に花を咲かせました。
昔のまま、素敵で明るい先生。いつかまた、お会いする日までに、修行し直しです!