動画はシャミナーデのスペイン風セレナーデの楽譜動画です。
視覚障碍でも少し見える自分が今、出来る暗譜方法は画面の楽譜を覚えていくことです。
さて、今回のテーマは音楽を演奏する時に「音の連結部」を意識するお話です。当たり前ですが、たくさんの音が連続して演奏されるのが音楽です。その一つ一つの音と音の「つなぎめ」を考えるものです。
音と音の間に「休符」や「間」がある場合もあります。その場合には、最後の音の「終わり」と次の音の「出だし」、さらに音のない「時間」をどうつなぐのか?も連結部です。音がないからと言って音楽が「止まっている」とは限りません。
当然、次の音との間に「間=ま」がない=連続している場合がほとんどです。
「レガート=スラー」で二つの音の間を切れ目なく演奏する場合でも「変わり目」があるはずです。はっきり変わる場合もあれば、意識的に「ぼやかす=ディゾルブ」して変わる場合もあります。ヴァイオリンの場合ポルタメントやグリッサンドも「つなぎ方」の一つです。一つ目の音の終わり方も様々。弱くしていく場合もあれば、弦楽器や声楽・管楽器ならば「同じ音量のまま」や「だんだん大きくなって」次の音につなぐこともできます。前の音の終わりより小さく、次の音を弾き始めることもできますし、アタックをつけたり、大きくして始めることもできます。
音量だけではなく「音色」のつなぎ方も注意深く観察するようにします。
ほんの少しの音色の変化…例えば弦が変わることもあるし、ポジションが大きく変われば音色も変わります。
弦楽器の場合「弓を返す」場合には、原則的に同じ場所で「動く方向が変わる」わけですから、弓の圧力と速度を変えなければ同じ音色で次の音が出せます。
一方でスラーで演奏した場合でも、次第に弓の場所が変わっていきますが「変わり目」は一点になるはずです。移弦した場合、数ミリですが弦と弓の毛の接点が変わります。弓が動いている限り、弓の毛の「どこか」が現に触れて発音していることに注目すべきです。2本の弦を同時に演奏する「重音」の場合でも、一つ一つの弦を擦っている弓の毛は「ふたつの点」であり「面」ではないのです。2本分の弦の「隙間」が仮に8ミリだとしても、音を出しているのはふたつの「点」なのです。
話がそれましたが、音の変わり目=連結部を大切に練習することで、音楽が変わっていきます。
ぜひ「連結部」に注目して練習してみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ヴァイオリニスト・ヴィオリスト 野村謙介