夏の定番

今年も夏の定番となった、茨城県古河市立総和中学校弦楽オーケストラのホールレッスンに行ってきました。
今から20年ほど前から縁があって伺っています。毎年1回だけの指導です。
初めて呼ばれたころから、顧問の教諭も変わり、当然メンバーも毎年変わっていきます。
それでも毎年お声をかけてもらえることは本当に光栄です。
私が伺う日に合わせて野木にある立派なホールをわざわざ借りて待っていてくれます。
年ごとに部員の人数も変動しますが、弦楽器だけのアンサンブルで常に60~100名のメンバーがいます。
公立中学校の普通の部活動です。技術水準はとても高く、高校生の演奏といっても誰も疑わないレベルです。
コンクールへの仕上げ練習として私が呼ばれているのですが、私はコンクール絶対主義ではないので、優勝することより大切なことを伝えています。
演奏する喜びや、聞いてくださる方がいて、支えてくれる大人がいて、何よりもこの部活を続けてきた自分たちの知らない先生や先輩たちがいるることを伝えています。
数年前から浩子先生とのミニコンサートも練習の休憩時間や、今年のように練習の前に行っています。
子供たちが演奏するステージで私のヴァイオリン・ビオラと浩子先生のピアノで、客席に座った生徒たちに
「響き」「空間」を感じてもらうのが狙いです。私はいざ知らず、浩子先生はこの短い時間のために
相模原からラッシュの京王線にもみくちゃにされながら、片道3時間の日帰り出張で申し訳ない気持ちも¨。
それでも野木の駅には生徒の保護者が車で待っていてくれて、私たちに気を使ってくれます。生徒を陰で支える力ですね。
部活のオーケストラ。思えば自分もその顧問だった時代がありましたが、遠い昔のようです。
離れてしまえば忘れられる存在になるのです。指導者が変われば、その指導者の下で活動するのですから当たり前といえば当たり前。
ただ!
先ほども書いたように、子供たちに先人の作ってくれた環境に感謝する気持ちを伝えずに、
今の環境だけにあぐらをかいた部活指導は間違っています。
伝統は作るものです。受け継いだ責任は果たすべきです。
先人に敬意を感じないならば、解散して新しくゼロから作り直すのが礼儀です。
こう書いていると、だんだんムカついてきました(笑)のでやめます。
総和中学校の指導を終えて、今年も夏のイベントが一つ終わったなぁと思うのでした。

意欲こそ上達の秘訣

この動画で演奏しているのは高校3年生の男子生徒さん。
彼は3年ほど前に私の教室でヴァイオリンを始め、昨年の4月からピアノを始めた「ごく普通」の男子です。
おとなしく穏やかな印象の彼は、ファミリーレストランのバックヤードでアルバイトを続け、1年がかりでヴァイオリンを購入しました。高校生になるまで楽譜も読めなかったのですが、自分の好きな曲を時間をかけて覚えて練習してきます。この意欲こそ、上達の秘訣とも言えますね。習った期間や能力など、関係ありません。彼の今の夢はヴァイオリン製作者になることだそうです。私も全面的に応援していくつもりです。


いよいよ夏休み!

多くの小学生たちが今日から夏休みですね。初日から雨模様の相模原。家庭で過ごす時間が少なくなった現代だからこそ、長期の休みには家族で過ごしてほしいと思うのですが、もちろん家庭ごとに環境が違うので難しいですよね。子供にとって「学校に行かない」ことを感じられるこの夏休み、ぜひ、一生の思い出に残る夏休みにしてあげてください。例えば「ヴァイオリンがすごく上手に弾けるようになった夏休み」なんていかがですか?今までと違う生活のリズムの中に、ヴァイオリンを練習する時間を組んでみるのはどうでしょう。上達を感じられれば必ず練習したくなります。子供にとって夏休みは一年に一度、義務教育で9回経験できる貴重な機関です。部活もほどほどにして、普段できないことに打ち込ませてあげてください。

ベルリン・フィル12人のチェロ奏者演奏会に。

日曜日、サントリーホールに行ってきました。
2年前にも同じコンサートを浩子先生と二人で楽しみました。
このベルリン・フィルの12人のチェロ奏者たちは、もちろん普段は世界中を飛び回るベルリン・フィルハーモニーのメンバーとして演奏しているいわゆる「オーケストラメンバー」です。
彼らの演奏を聴いていると理屈抜きに気持ち良いのです。
うまいとか、すごいとか、そんな表現が当てはまりません。
彼らにしかできない演奏を、長い歴史を引き継ぎながら、常に新しいことに挑んでいることも音楽に現れます。
まさに「音」が私の体に溶けていく感覚です。ホールの空間に漂う音。決して大きい音でもないのですが、どんな再生装置にも作れない空気の振動を感じます。
演奏の様子はYOUTUBEなどでも楽しめますが、会場で感じる音とは別のものです。当たり前ですが…。そんな演奏をする人が世界に存在し続けることが素晴らしいと思うのです。一人では決して実現できないことなのです。素晴らしいソリストは世界中にたくさんいます。また、素晴らしいオーケストラもたくさんあります。12人という人数だからできること。常に次世代を見据えて活動するからできること。彼らにしかできないことなのかもしれませんが、その一部だけでも自分が音楽を通してできることがあると、信じながら今日もお仕事しています。

素敵な生徒さんたち

先日、体験レッスンを受けて、即入会された男性の生徒さん。
職場の仲間5人で「これから始める趣味を持とう」という話になったそうで、
今までやったことのない楽器を10月末に職場で発表しようというとても素敵な目標を作ったそうです。
しかも、自分で楽器を決めるのではなく、お互いが「君は○○で▽▽の曲を弾く」とお互いに決めあうという
なんともこれまた素敵な話。入荷した生徒さんは、昔エレキベースを弾いていたことがあるそうで、でもそれとは関係なく
「ヴァイオリンで君をのせてを弾く」ことを勝手に決められたそうです。いいですねー。
そして、体験レッスンのその日、ヴァイオリンセットをご購入。ケースは赤。これまた似合ってしまう。
明るい話題のない日本で、こんな素敵な趣味の世界を広げる人たちに拍手です。
ぜひ、皆さんの職場でもこの「これから楽器を初めて発表しよう!」という提案をしてみませんか?
格好だけで中身の伴わない「オーケストラごっこ」に満足する謎の生徒さんもいましたが、
きちんと目標設定をして楽器の演奏を本当に楽しもうとする気持ちがあれば、きっと素晴らしい演奏ができます。

もう一つ、いいお話し。
教室で作曲を習っている若い男性の生徒さん。
とても個性的な生徒さんで、複雑な事情で文字を読むこと、書くことができません。
でも、自分のスマホで打ち込んだ曲が100曲以上。その曲を、完成させたいと教室を訪れてくれました。
担当してくれている野平くん(先生)が彼の心を解きほぐしながら、熱心にレッスンしてくれ、素晴らしい才能を発揮してくれています。
趣味で吹いているオカリナがとてつもなく素敵な演奏。
ピアノで曲を作る時も、先生が2小節前からもう一度弾いてと指示すると、頭の中の楽譜をきちんと2小節前に戻して即座に弾き始められます。
これってすごい能力です。ただ楽譜を暗譜しているわけでhなく、音楽を小節単位で頭の中に並べていることになります。
でも文字は読めない。人間の能力はすごいですね。彼を見ていると「自分は何ができるんだろう」と戒められる気持ちです。
音楽家になるための教育と経験にあぐらをかいているプロ。
もっと自分の能力に謙虚にならなきゃと思うのでした。

駅前教室でのヴァイオリンレッスン予約

普段、お電話やメールで次回のヴァイオリンレッスンをご予約頂いている生徒の皆様へ、私(野村謙介)の駅前教室でいつ、レッスンが出来るか、参考にして頂けるカレンダ-をホームページに公開しました。レッスン時に予約されるとこのカレンダーに入力して予約を管理しています。その内容を「予定あり」という言葉で伏せてありますが、私が駅前でレッスンできる日時がリアルタイムで表示されています。ただし、これはあくまでも「駅前教室で村謙介のレッスン」に限定した表示ですので、例えば同じ日時に原宿南教室で浩子先生がピアノレッスンをすることも可能ですし、私自身が原宿南でヴァイオリンレッスンをすることができる場合もあります。チェロやトランペットのレッスンもこのカレンダーで「予定あり」でも、レッスン可能な場合もあります。重ねて書きますが「駅前教室で野村謙介のヴァイオリンレッスン」についての空き状況を示したカレンダーです。カレンダーの下にあるoffice@merry649.comの文字をクリック、またはタップしていただくと、皆様のメールソフトが開き宛先や必要記入事項が自動的に表示されます。チェロやピアノのレッスンのお問い合わせにもご活用ください。ホームページ

子供に音楽の楽しさを体験してもらう

私が立ち上げて15年目のメリーオーケストラは、子供の健全な育成と音楽の普及を目的としたNPO法人です。毎回の演奏会で、来場した子供の中から実際にオーケストラを指揮する体験コーナーを企画しています。生まれて初めて指揮台に立って、自分の指揮に合わせて何十人もの人が一斉に楽器を演奏する子供たち。驚きと感動が一生の思い出になってくれることを願っています。数回前の演奏会での威風堂々を子供たちが指揮する様子です。

予約カードとチケットについて(お知らせとお願い)

生徒の皆様にお知らせ致します。
2016年6月よりチケット制を改めて、レッスン予約カードで、レッスンコースと回数を確認させていただくことに致します。従来と変わらず、レッスン予約カードは必ずお持ちください。

新たなサービスを開始します。
レッスン予約カードの、最後の欄の予約が埋まった場合、次の予約カードの最初のレッスンを、30分延長するサービスです。(ただし、ヴァイオリン・ピアノ・ヴィオラのレッスン延長に限ります)
サービス開始に伴い、従来の予約カードがすべて埋まったら、一回分無料レッスンサービス(10週年記念サービス)は終了させて頂きます。ご理解とご了承をお願い致します。

子供の学習能力と音楽との関わり

最近の研究で学習能力の高い子供たちが、幼いころにどのような習い事をしていたか?統計をとって分析した報告がありました。
一般の大学生と東京大学の学生を比較してみたところ、初めての習い事に「ピアノ」と答えた人の数(割合)が、
一般の学生=1に対し東大の学生=2.つまり、同じ人数の学生を比較すると、2倍の人数の人がピアノを最初に習ったということです。
東京大学の学生が「頭がいい」と言い切るつもりではありません。受験に必要な試験科目の学習能力について、東京大学合格者の能力が高いことは事実です。
なぜ、このような結果になるのかを分析した方もいます。
ピアノに限らず、楽器の演奏を幼い時に学ぶことで、右脳と左脳が刺激され、演奏する運動と記憶する脳の活動、さらに音を聞こうとする聴覚の発達と聞き分ける脳の働きなど、
様々な要因で楽器の演奏が幼児の運動能力と学習能力を高めているのです。
私が20年間にわたる、中学高校での教員経験でも、これは間違いないことでした。
全校生徒1200名ほどの男女共学、中高一貫普通科の学校でした。その全校生徒の中で、オーケストラを部活動として楽しんでいる生徒が、150名いました。
割合にすると12.5パーセントの生徒が楽器を毎日練習していたことになります。
その生徒たちの多くは、入学時の成績は平均的な数字でした。楽器を習ったことのある生徒もいましたが、半数ほどの生徒が楽器を弾くのは初めてという生徒たちでした。
毎日、自分で計画を立て自分の楽器を好きなだけ練習できる環境だけ整えました。
最近の部活動にみられる「毎日部活に縛られる」のとは違い、「日曜日以外、好きな時に練習できる」部活でした。
土曜日だけ、全員で合奏をすることに決めて、あとは個人で計画を立て練習していました。
それらの生徒たちの成績は、学年が上がるごとに上昇していきます。中高一貫の学校でしたので、高校受験もなく、4年目で高校生になります。「成績上位者」と「特待生」のほとんど全員がオーケストラを楽しむ生徒たちでした。
楽器を演奏することが、ただ音を出すだけで終わってしまうと、ここまでの結果は出なかったと思います。
子供たちが楽譜を読み、初めての楽器の扱いを覚え、楽譜の通りに演奏できるように自ら考え、他の生徒と励ましあい、音楽的な表現を私に求められながら、
最終的に楽譜を見ないで演奏できるレベルになったところで、大きなホールの舞台で2,000人ものお客様の前で演奏会を開く。
この繰り返しが教科の学習、さらには大学受験時にも能力を発揮していたのです。
東京大学、一橋大学、京都大学。他にも卒業生の中で最も難関大学への現役合格者が、ほとんどオーケストラの生徒でした。
音楽を習う、練習することを「楽器で音を出すこと」だけで終わらせてしまうと、学習能力は高まりません。楽譜を読み、間違えないように演奏し、指導者の要求に応えながら、さらに練習を重ねること。
ぜひ、ご自分のお子さん、お孫さんの将来のためにも、音楽を真剣に学ぶ環境を整えてあげてください。
私たちはその応援をしています。