大人のレッスン

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IMG_80001333404833よく巷で言われていることですが、バイオリンは小さいときから習い始めないと弾けないという間違った話があります。
バイオリンに限らず、いくら小さいときから習っていても、技術や知識が身につかない事も多いのです。これは、私が中学校・高校で20年間、音楽の授業をしてきた経験と、自分自身の音楽経験、さらにメリーミュージックでの10年間でレッスンをしてきた約600人の生徒さんたちを見ての結論です。
例えば、大人になってから、自分が小さかったときの記憶をどこまでさかのぼれますか?ある時期より前の事は極端に記憶がなく、それ以後はほとんど同じように記憶をたどることが出来ると思いませんか?
3才4才頃から7才頃までの子供たちに、前のことをどのくらい覚えているか聞いてみると、ほとんどの子供があまり覚えていないのです。
これは脳科学の分野でしょうけれど、子供が記憶する脳の働きとそれ以後の脳は多分違う働き方をしているようです。
子供は物覚えが早いからバイオリンを弾けるなんて、全くでたらめな話です。むしろ物覚えという意味では大人の方が圧倒的に早いし正確です。
子供は刺激の強いことを感覚的に学習しているので飽きてしまうと全く学習効果がありません。
大人は自分の意識や感覚を自分でコントロールできます。
つまり、大人になってからバイオリンを習う方が短時間で学習出来るのです。
ただ、大人になると記憶や知識が自分の学習の妨げになってしまうケースも見られます。
苦手意識やコンプレックスです。
さらに対面的な羞恥心も表現力を自制してしまうことにつながります。幼稚園児がお遊戯で恥ずかしがらないのに、同じことを大人になると恥ずかしがってできなくなります。
大人からバイオリンを始めることは、恥ずかしいことでもなく、難しいことでもありません。
むしろ、目標を決めて努力すれば大人の方が子供より上達します。
大人の皆さん。恥ずかしい!今さらという気持ちを乗り越えて、自分のためにバイオリンを始めてみましょう。

梅雨時の楽器管理

いよいよ、関東地方も梅雨入りのようですね。
暑ければあついで「早く涼しくなって~」と思うのはわがままですね。
あと何ヶ月かしたら「寒い~。暖かくなって」と思うのでしょうから。
さて、ヴァイオリンなどの弦楽器にとって、これからの由津時は湿気との戦いです。
とは言っても、楽器自身は何も言えず、自分で動くこともできません。
大切なあなたの楽器を健康に保つために、アドバイスです。
特に、普段は忙しくてなかなか楽器を手にすることができない方のために。
以下、ご参照下さい。

楽器の湿気対策

基本は楽器表面を出来るだけ、空気に触れさせておくことです。
ケース内部の内張りの布に裏板が押し付けられることになるので、
持ち歩かないときには出来るだけ、ケースから出して、机の上や棚など固いところに、スタンドに立てて置いてあげるのが理想です。スタンドがなければ、日の当たらない部屋のどこかに、釣り糸(テグス)を使って楽器をつるして上げられれば、もっと良いですね。地震が来たときに回りにぶつからない場所を選らべれば最高です。
テグスはどこにでも売っています。太いテグスならヴァイオリン程度で切れることはありません。工夫して部屋のオブジェにするつもりで考えてみてください。

どうしても、ケースに入れるとき、外に持ち歩くときも含めて以下の対策を採ってください
1 ケースを完全に空にします。松脂、布、小物、もちろん楽器と弓もすべて取り出してください。
2 ケースの内部にドライヤーの熱風を分から10分ほど、焦げないように注意しながら当てます。内張りの布が張ってある部分、すべてに熱を加えて、ケース内部の湿気を完全に飛ばします。
3 熱が完全に冷めるまで放置します。この間に、フェイスタオル程度の大きさの普通のタオルにアイロンがけをして、カラカラになるまで乾燥させます。部屋においてあるだけのタオルには驚くほど湿気が含まれ居ますので、アイロンをかけます。
4 ケースの内部が冷めたことを確かめてから楽器や小物をしまいます。楽器の上に先ほどのカラカラに乾燥させたタオルを掛け布団のように乗せてケースの蓋をします。持ち歩かないときは蓋をせずに開けておいたほうが空気が通ります。
このタオルを出来るだけ頻繁に交換します。楽器の周りの湿気を、タオルが吸ってくれます。楽器より乾燥していることで初めて除湿効果があります。

以上、湿度の高い梅雨の時期を乗り切るための方法を書きましたが、何よりも楽器に毎日触れてあげて、少しでもいいので布で楽器を拭いてあげるのが一番です。
ケースに入れっぱなしにすれば、カビが生えたり、虫に食われたり、楽器にとって最悪の環境になりますので注意してください。

どうでしょうか?是非、楽器とずっと仲良くつきあうために、実践してみてください。
なお、楽器の無料点検、現在も実施しております。お気軽にどうぞ1