メリーミュージックブログ

演奏家夫婦が優しく丁寧に指導

     

メリーミュージック

   

2004年創業バイオリン教室・ピアノ教室・ビオラ教室・楽器店です
神奈川県相模原市緑区原宿南2-26-1

練習は間違えないため?何のため?

練習は間違えないため?何のため?

このエントリーをはてなブックマークに追加

 映像はヤッシャ・ハイフェッツのマスタークラスレッスン。
習う側の技術も「半端ない」ですね(笑)
さて今回のテーマは以前にも触れたことのある「練習」の目的や内容について考えるものです。
 私自身、師匠のレッスンを受けて自宅や学校で練習する時間に何を考えていたのか?あまりはっきりした記憶がありません。
 高校・大学時代に友人との室内楽を同時にいくつも掛け持ちしたり、毎週授業として行われていた「オーケストラ」のために譜読みをしたりと毎日の殆どが何かしらの練習時間でした。「一日、何時間練習すると良い」などと言われますが、時間の問題ではないと考えています。決まった期日までに弾けていないと「困る」から練習していたのが先ほどの私の例です。レッスンで先生に怒られないため(汗)、室内楽で合わせた時に止まらずに弾けるようにするため、オーケストラで怖い指揮者の先生に捕まらないため(笑)などなど。
 遡って考えれば「音楽高校入試」に合格するために必死になった課題曲を練習したのも「試験日までに」と言う目標があったのも事実です。
 こうして考えると「勉強」「学問」と同じですね。入試やテストのために、小学生なら宿題を終わらせることも「勉強」でした。塾に通うう人ならさらに勉強が上乗せされるわけです。目標が明確な勉強・練習は「結果」もすぐに判明します。

 趣味でヴァイオリンを楽しむ方が練習する時、目的を考えなくても目標がなくても楽しめれば何も問題はありません。
 一方でプロのヴァイオリニストの場合には次の演奏会までに仕上げる「目標」があります。
 目標のない練習を続けられる人も少ないながらいるようですが、多くの場合はモチベーションが維持できずに練習からも遠ざかります。
と言うよりも「練習」と言う概念が無くても楽器は演奏できますよね?楽器を弾くことが純粋に好きで楽しいと言う人にとって、それが「練習」だとは感じなくても良いわけです。むしろ練習は目標や目的を達成するために「必要」に感じて楽器を弾くことかも知れません。
 では練習…目標や目的があって楽器を演奏する場合に焦点を合わせて考えてみます。

 レッスンで指導を受けている場合であれば前回=直近のレッスンで指摘されたり修正されたことを改善し次のレッスンでその成果を師匠に確認してもらい出来ることなら「合格」点をもらって次の課題を貰うための練習が一般的です。課題の内容は様々です。楽譜を読み間違えていたりリズムを間違えて至り、指定された弓使いや指使いを読み落としていたり。もっと全体的に「音程が悪い」と指摘されることもあります。弓の持ち方、弦の押さえ方、楽器の構え方を修正されることもあります。こうした指摘は自分一人で練習するよりも遥かに効率的だと言えます。
 毎回レッスンで同じことを指摘される場合もあります。特に持ち方や構え方、姿勢のように修得までに時間がかかる内容は何度もレッスンで注意されるものです。楽譜の間違いを何回も注意されるのは「練習不足」が原因であることが殆どです。レッスンの時に注意されたことを覚えていなかったり、楽譜には書き込んだものの自宅で練習する時に見落としていたり「集中力」が足りないとも言えます。
 趣味でアンサンブルやオーケストラを楽しむ人にも自宅での練習が必要です。もちろん人によって練習できる時間は皆、違います。
少しでも前回の合奏で指摘されたことや出来なかったことを自分で練習する事で、合奏全体のレベルが変わります。
私の持論ですがアマチュアオーケストラを楽しむなら「暗譜するまで練習する」事をまず求めます。理由はシンプルです。合奏は一人で好きなように演奏する事とは全く違う技術「自分以外の音を聴く・合わせる」が必要だからです。自分が一人で弾くこと=楽譜にしがみついていないとどこを弾いているのかわからない状態で、合奏しても他人の音を聴くゆとりは生まれません。自分が演奏していなければ色々な楽器の音を聴いて楽しめる…とは別の事です。きちんと演奏できなくても「楽譜を覚える」事はできます。ますはその練習が不可欠だと思っています。プロは楽譜を見ながら他の音を聴き分けるトレーニングをしています。プロの「真似」はできませn。

 一人で練習する時に多くの場合「間違えずに弾けるようにする」ことを目標にします。その間違いにも色々な場合があります。音の高さ=半音以上の違い・リズム・ボウイング・指使いなどは、間違いと「正解」がはっきりしています。一方で微妙なピッチの「ズレ」や不規則に起こる「音のカスレ」「弓のバウンド」などは問題がなくできると感じる時と「ダメだ」と感じる時がランダムに発生してなかなか「いつも問題ない」状態に到達しないものです。
 つまり「分かりやすいミス」と「修正しにくいミス」があるという事です。前者を修正するのは比較的短時間で集中すれば改善します。その短時間の中でも後者の「不意に発生するミス」が含まれる事は想像できます。ただ何かを修正しようと集中していると他の「ミス」に気付きにくくなるのが人間です。
・リズムに気を付けているとピッチが怪しくなる。
・ピッチに気を取られると音色と音量が怪しくなる。
・間違えずに弾こうとすると音が汚くなる。
など無意識に「どれかを取ればどれかが消える」状態の連続になりやすいものです。
 多くの場合に解決する練習方法として以下の方法をお勧めしています。
・まず楽器で音を出す以前に歌う・ピアノで弾く練習。
・左手に問題がある場合には、右手だけ=開放弦でリズム通りに弾く練習をする。
・右手に問題がある場合、左手=指だけ動かしながら弓を持たずに動かす練習=エアーヴァイオリン(笑)
・額の限られた部分の練習をする時は2音感を「往復」する練習。
・全体を通して練習する時間を必ず含める。
大体、上記の練習で「足し算」ができます。楽器の演奏は複合的な意識と運動の組み合わせで行われています。一つの音に複数の意識と運動が伴います。「同時」に出来ないことを組み合わせて練習を繰り返すのは時間と労力の無駄である以前に「解決にならず違う問題を引き起こす」原因になります。私はこれを「分解」と言います。
楽譜を分解し技術を分解し「パーツ」を丁寧に仕上げることで初めて「合体=組み合わせ」が可能になります。
 長い曲、難しい曲ほど分解が不可欠です。そして少しずつ大きな部品に組み立てる時に「違う組み合わせ」で仕上げていくことも大切です。例えば「リズムをすべて四分音符で弾いていみる」ことや「弓をすべて返して弾いてみる」「違うテンポで弾いてみる」などの工夫で壊れにくい構造物=演奏に近付けると思います。
簡単に短時間で弾けるようにするのは「わらで作った子豚さんのおうち」です(笑)小さなトラブルで止まってしまったり、どこを弾いているのか分からなくなる致命的な「事故」を招きます。また聴いている人に安らぎをもたらしません。安心感は何よりも大切なことです。
 私も自分の演奏を自分が生徒になって練習しています。皆さんもぜひ、もう一人の自分を考えて練習してみてください。
 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

ヴァイオリニスト・ヴィオリスト 野村謙介

« »

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です