私たちのリサイタル

皆様。お元気ですか?
私達夫婦のデュオリサイタルにまだ、ご来場いただいていない方々にご紹介です。

多くのクラシックコンサートでは、当たり前の光景があります。
静まり返った客席で、演奏をひたすら聞き続ける。
曲を知っている人は満足そうで、知らない自分はどことなく恥ずかしい。
1曲が長く、演奏が終わったのか?続きがあるのか?良くわからない。
演奏が終わるとステージから消える演奏者との距離感。
途中で帰りたくなるような気分。
途中で寝ると周りから変な目で見られる。
こんな経験、ありませんか?

演奏の技術が素晴らしいコンサートでも、聴くのは普通の人です。
プロの演奏家やクラシックマニアだけが楽しめるコンサートに、
間違って行ってしまえば「苦痛の時間」になります。
もちろん、マニアの方にとって「好きな人だけくればいい」のがクラシックコンサートなんでしょうね。

私と浩子のリサイタルは、クラシックのコンサートに行ったことのないお客様でも、楽しみを共有できる時間を優先しています。
演奏を楽しんでいただくために、演奏者を知ってもらうことが第一だと思います。演奏者とお客様が近い関係になれることを目指しています。
初めて来られた方にも楽しんでいただける雰囲気とプログラムを考えています。
「演奏だけでいい」おいう方には申し訳ありません。
私たちのリサイタルは、普段着のコンサートです。
気楽に音楽をお楽しみいただける空間を創ります。ぜひ、ご来場ください。

メリーミュージック 野村謙介・野村浩子

暗譜?楽譜見えなくても?

皆様、いかがお過ごしですか?
今年も冬の恒例行事「デュオリサイタル」のシーズンが到来しました。
今回で13回目になります。何が変わって、何が変わらないのかな?

楽譜を見ながら演奏できなくなった事が一番変わったことの一つ。
そこで、今日は私自身の「音楽の覚え方」について。

タイトルに書いたように楽譜を見ずに演奏することを一般的に「暗譜」とし言いますね。私は40歳ごろまで、視力が矯正すれば片目で0.4か0.5ありました。自動車の運転免許も辛うじて更新できていました。
楽譜を見て演奏することも出来てました。学生時代、オーケストラで初見演奏することも出来たので、プロオーケストラでエキストラのお仕事もさせてもらっていました。言い換えれば、その位の視力がありました。

13年前の第一回リサイタル当時、楽譜を見ながら演奏しました。
暗譜もしていましたが「保険」として譜面台を立てていました。
その後、次第に網膜色素変性症が進行し、視力も下がりました。運転免許の更新も諦めました。その頃から楽譜を覚えて演奏する「暗譜」で演奏する事になりました。楽譜を読みながらヴァイオリンを弾いて、楽譜を覚えて演奏することが「暗譜」です。

生まれつき全盲の演奏家がたくさんおられます。私にとって、その方たちの「音楽の覚え方」は想像でしかありません。ある方は点字楽譜という「楽譜」を覚えて演奏されているのだと思います。指で点字楽譜を読み取っては楽器を弾いて覚え、また指で…の繰り返しなんでしょうね。すごいことだと思います。演奏だけ聞けば、その方が全盲であることなど微塵も感じさせない演奏をされていることも驚愕の一言に尽きます。

今、私が演奏会に向けて練習する時の「音楽の覚え方」ですが、
音楽を聴いて覚えきれないような複雑な曲の場合には、楽譜の数小節を拡大し、その部分だけを覚えていく方法で「暗譜」します。コピーの拡大機能を使う場合には、1曲の楽譜がA3用紙で20枚とかになることもあります。
自分が演奏している音が楽譜のどのあたりにある音なのか、覚えることはありません。昔はそれも記憶の中にありました。

この頃は、演奏したい曲の「音のられつ」を記憶しているようです。
一音ずつ、音に係わる情報を覚えていきます。
・音の高さと音名・音色と強弱・弦の種類やポジション・弓の場所など。
その情報を覚えながら無意識でもそれが連続するまで繰り返します。ある意味「無理やり覚える」方法でもあります。厳密にいえば「暗譜」ではないですね。

先ほど書いた全盲の方の音楽の覚え方とも違うのかもしれません。点字も知らないので。一番、効率の悪い覚え方かもしれません。
何よりこの病気は、人によって病気の進行速度も程度も違います。
そのことが私たちは不安を与えます。見えなくなる日が来る不安。生活できなくなる不安。今できていることが、だんだんできなくなる不安は、以前出来ていたことが出来なくなった「絶望感」にもつながります。
全盲の方に比べても何の意味もないのですが、次第に見えなくなる不安は、それなりに大きなものです。

音楽を強引に覚える作業をするのは、自分の不安との戦いでもあります。
イラついたことも正直にあります。たかが!たかがこんな短い旋律が覚えられない。間違える。楽譜が見えれば、こんな曲なんでもないのに!
そのストレスを超えなければ新しい曲は弾けません。いつか、楽譜をまったく読めなくなる日が来たら?点字楽譜を習って覚えるのかな?それもありですよね。

私は、「覚えられる範囲の曲だけ弾こう!」とわがままに思っています。点字を読めなくても、聴音と暗譜の技術を使えば頭の中に楽譜を思い描けます。学生時代、大嫌いだった聴音です(笑)が、やっていて本当に良かったと本心で思います。耳コピが楽譜を頭に作れれば、演奏できるはずです。


楽譜を覚えるのが暗譜ですから、音の情報を丸暗記するのは?
あんおん?
アンマンみたいでダメか。
今回のリサイタルで、演奏する曲たちもこうやって覚えた音楽たちです。
もし、ご興味があって「しょうがないから行ってやろう」という、心優しい方(笑)がおられましたが、ぜひ!12/20(日)相模原のもみじホール(城山文化センター)か来年1/9(土)代々木上原ムジカーザに足を運んでいただけたら本当にうれしいです!
心優しい方へのご案内ページはこちら
http://www.merry649.com/duo/
をご覧ください。皆様のご来場を心からお待ちしております。
ヴァイオリニスト 野村謙介


緊張の中の演奏は…

皆様。いかがお過ごしでしょうか?
秋の気配が深まるこの頃です。
先日、出演者とご家族、スタッフだけで発表会を実施しました。
14組の演奏に私と浩子先生も1曲演奏。微笑ましく、感動的な時間でした。
発表会を「不特定多数の人に演奏を聴かせる場」だから「しょばだいはらえ」と言ってくる、やくざまがいの組織がありますね。ひどい話です。
発表会は自分の演奏を発表する場ですが、それは不特定多数の人に聞いてもらう音楽会とは全く意味が違います。そんなことさえわからないのは、知能が低い組織なんでしょうね(笑)

そもそもアマチュアに限らず、音楽を演奏することは人間の自由な行為です。例えば家の中で一人、好きな楽器で好きな曲を弾いていたら、誰にも気兼ねなく、遠慮することもなく、当然誰からも「ちょさくけんがぁ!」と吠えられることもないですよね。それでも「外に音が漏れているかもしれなから「ちょさくけんがぁ!」爆笑です。そもそもこの「しょばだい」が著作権所有者に支払われていない事実。「一部払っている!}とか吠えてます。あほ!(笑)一部に払うなら、一部から取れ!!詐欺集団

さてさて、話を戻します。
緊張感の中で演奏することは、演奏を上達させるだけではありません。様々な場面、音楽とは無関係な生活にも影響すると思います。
緊張すれば思うように弾けないのが普通のことです。身体の筋肉が無意識に硬直し縮こまります。頭の中では冷静に感じていても、身体が思う通りに動かない!それこそが緊張です。

人間に限らず、わんこやにゃんこも緊張しますよね。知らない場所に初めて行ったとき、知らない人に近寄られたとき。
我が家の姫、ぷりん(女の子にゃんこ=トンキニーズ5歳)の例でいえば、
生徒さんが毎日のように自宅に来られるので、人が来ても緊張しないようになりました。自分に危害を加えない生き物なんだと学習したんですね。
そんなぷりんですが、いまだに地面(家の外の)を踏んだことがありません(笑)
今まで万度も、スリング(袋のような抱っこできるケージ)でお散歩に出かけましたが、そのたびに緊張しまくりです(爆笑)怖いんでしょうね。一緒に私たち夫婦がいることはわかっていても。

緊張しないようになるための唯一の方法は「学ぶこと」です。
ぷりんが学んだように、経験から学ぶしかありません。いくら暗示をかけても多少は緊張はします。
学び始めのころは、緊張したあとに「挫折感」「後悔」しか感じないものです。「二度とやらない」と思うこともあります。
それでもその緊張感の中で自分が演奏した録音や映像を何度も何度も見ることが絶対に必要です。それ自体が「学び」なのです。

音楽に限ったことでいえば、プロの中でも「ソリスト」と称される方々の演奏と、それ以外の演奏者の演奏は何か違います。一番の違いは「一人で演奏する場数の違い」とも言えます。もちろん、ソリストの練習や努力が人一番、人10倍であることは間違いありませんが。
緊張感の中で自分の思った通りの演奏ができるように、少しずつ成長していくものだと思います。生まれつきの天才演奏家なんて、過去にもこれから先も現れないと思っています。学習の成果の違いです。
緊張してうまく演奏できなかったから、二度と緊張したくないと思うのなら、それはそれで趣味の世界であり!です。
でも!上手くなりたいのなら緊張しながら演奏することに慣れるべきです。緊張するのは当たり前。緊張したら失敗するのも当たり前。その失敗を思い起こし研究し、繰り返し練習してリベンジすることの繰り返しこそが、上達の秘訣だと信じでいます。

な~んて偉そうなことを、ソリストでもない私が書いて説得力が1ミリもないのは承知の上ですが、自分がうまくなりたい気持ちだけは持っているので、皆さんと共有できればと思い、書きました。お許しください。

メリーミュージック 野村謙介

自己暗示のススメ

皆様、お元気でしょうか。野村謙介です。
教室では発表会の追い込みレッスンが続いています。
多くの生徒さんが自分の出来なかった新しいことに挑戦しています。素晴らしいことです。子供も大人もみんな立派な演奏家です。

さて、話は「自己暗示」という、ちょっと難しそうなタイトルですが(笑)
要するに「どうすれば弾けるようになるのか?」という壁にぶつかったり、もうすぐ舞台!あぁぁぁ!(笑)そんな時に役立つ方法です

「弾けない」「うまくならない」「やってもどうせ失敗する」
そんな気持ちになった経験は誰にも思い当たるはずです。私はありました。いわゆる「コンプレックス」も加わって頭の中がグルグル回る。
一体、誰と自分を比べているのかさえ考えられなくなります。比べる必要のないのに無意識に優劣を考えたり、自分自身の中でも成長していないと思いつめたり。ありませんか?

私が高校生の頃に初めて覚えた「自己暗示」という言葉ですが、アスリートたちがインタビューに答えている言葉の中にも、同じ意味のことを話していました。会場中の目が自分に向いている。失敗したら…。プレッシャーに押しつぶされそうになり、練習してきたことすら自信に思えない。
私が最初に覚えた自己暗示訓練法は「手のひらが温かい」「手のひらが温かい」「腕が重たい」「腕が重たい」「額が涼しい」「額が涼しい」これを実際に口に出して実際に手のひらが温かくなるイメージをできるだけ強く何度も何度もイメージします。何日か繰り返すうちに、本当に温かくなった「気がした」と思っていたら実際に温かった!
この実験は科学的にも実証されています。サーモグラフィで調べたら温度が高くなっています。

たただ手のひらが温かくなるだけ?それだけ?
このトレーニングをするうちに、自分の体を自分の意志でコントロールできることを「確信」します。これも自己暗示の一つです。
練習で落ち込みそうになった時、自分は下手じゃない。うまくなってきた。必ず弾けるようになる。それを自分に言い聞かせます。イメージを持つことが現実に繋がることを「手のひら」で体験していますから。

ぽジティブな考え方を出来る人とネガティブな考ええの人がいます。
おそらくどちらの人も、無意識に自己暗示にかかっています。
前者(ぽジティブ)の人は、「なんとかなる」「きっとうまくいく」という暗示を自分にかけています。後者(ネガティブ)はその真逆の自己暗示「できない」「きっと失敗する」と無意識に暗示にかかっています。
あなたはどちらですか?

性格だからと思い込んだり、どうせ気休めだからと思うより、まずは自分の無意識な思考を意識することから始めませんか?
無意識を意識するって無理?いいえ!できます!少なくても「無理だ」と思い込んでいる自分に「なんで無理って決めるの?」と問いかけてみてください。あきらめずに考えていると、ただ何となく無理なような気がするだけで、それ自体が無意識に決めていたことに気付くはずです。

大人の趣味「楽器の演奏」には、そもそも「無理」なんてありません。
比較する必要もありません。自分が好きなように弾けばいいだけです。
そして何より自分自身の演奏に耳を傾けて、いい音が出ていることを楽しみ、上手に弾いている気分になることです。なりきりましょう。
あなたにしかできない演奏です。失敗することより、上手くいくことをイメージしましょう。自己暗示は誰にでもできる最高の上達方法です。

メリーミュージック
野村謙介

おかげさまで60歳

皆様、いかがお過ごしでしょうか?秋の虫たちが美しい歌声を聞かせてくれています。

2020年9月30日、今日は水曜日。
私、野村謙介は60回目の誕生日を無事に迎えることができました。
皆様のおかげです。ありがとうございます。
私を産んでくれた母が亡くなってからまだ3か月しか経っていないことが不思議な気持ちです。頑固で偏屈だった父が亡くなってちょうど3年経ちました。

学生のころ、薄暗い場所で何も見えない自分が将来、大人になっても生活できない。仕事なんてできない。大人になりたくないと思っていました。周りにいある他の人と自分の「できることの違い」がものすごく大きく感じていました。
中学、高校と成長して両親とも毎日のように喧嘩をしました。兄とも話をするのも嫌でした。ひどい反抗期でした。
大学生になって自分のできることに、ほんの少しだけ広がりを感じました。同時に生きることへの不安は薄らぎました。友人との遊び、練習、何より大学生活を「お祭り男」として過ごしました。年に一度の文化祭に異常な情熱を感じていました。(笑)
大学卒業の延期…簡単に言えば「留年」で私の人生は大きく変わったのかもしれません。ヴァイオリンを弾いて生活する「卒業後」の予定が、中学・高校の教壇に立つことになろうとは。
大学4年の卒業試験で自分の演奏を初めて高く評価されたことを、師匠から留年と同時に激怒されながら教えられるという貴重な経験もしました。

教員になったのが25歳、長女が生まれたのが30歳。2~3年働いたらやめるつもりだった教員生活なのに、生活のためにやめられない状況になっていました。ヴァイオリンはケースを開ける時間も気力もなく、うっぷんを晴らすようにオーケストラを指導することに没頭しました。年収は高かったですね。公立中学・高校の先生方とは比較にならない高給でした。その分、ストレスも半端なく(笑)命がけの19年と8か月。
やっと学校を辞められると思っていたら、いきなり本当の地獄に落とされました。自分の音楽教室を経営し朝から夜まで休みなしで働きながら、抗うつ薬の影響で、立ちながら意識のない状態でレッスンを続けていました。そこから約3年をかけて、完全にうつ病を克服しました。

浩子との演奏活動再開が、第二の人生をスタートさせました。
高校時代のマドンナ、大学時代の憧れの片思い相手(笑)。
生きること、楽しむこと、演奏すること、人と接すること…
すべてが今までは大きく変わりました。
両親も喜んでいました。もとより父はその時もまだ「うつ病」でしたが。
両親が有料介護施設で暮らすようになり、兄との関係もいつの間にか「仲良し兄弟」に変わっていました。

これから先の人生が、今までの時間よりも短いことだけは間違いありません。「老後」とか「余生」とか考えたくもないのは、私が「死ぬことへの恐怖」が弱いからかもしれません。もちろん、一日でも今と同じように暮らしていたいと思います。それでも、もしかしたら自分の目が見えなくなる日が来るかもしれません。その日がいつなのか、誰も知りません。こないのかも知れません。考えても無意味だし、心配しても無意味なんです。だからきっと、昔の自分と違って少しはポジティブになったんなと思います。
今は、浩子とぷりんというふたりの姫のお陰で毎日を楽しませてもらっています。たまに、ぷりんに噛まれますけどww
今日この日を迎えられたのは、自分の力だとは思っていません。家族や助けてくれた、たくさんの人たちの力です。一度、失いかけた命です。人は弱いものです。瞬間的に自死を考え行動してしまいます。「自分だけはそんなことはしない」と誰もが思います。違います。本当に怖いのは「発病の瞬間」です。病気になってから苦しんで、治る前に自死をする人もいます。それより恐ろしいのは、自分がうつ病になったことを感じる前に襲う「絶望感」「死にたい」という衝動的な気持ちです。本当に突然、襲ってきます。
自死をする人を「特別な人」扱いするのは間違いです。誰にでもその可能性はあるのです。

あれ?話がそれまくった(笑)ごめんなさいww
とにかく!これからも皆さんのお力をお借りして、一日でも楽しく生きていこうと思っています。末永くお付き合いください!
よろしくお願いいたします!
野村謙介


演奏家と指導者

回のテーマも私の私見ですのでお許しください

職業として音楽を演奏する人を「演奏家」と定義してお話します。もちろん、趣味で音楽を演奏する人も「アマチュア演奏家」ですから演奏家の仲間ですね。世界中にたくさんの演奏家(職業演奏家)がいますが、その多くの方は指導者によって育てられた経験を持ています。完全に独学だけで演奏家になった人もいらっしゃることは知っていますが。ある人は幼少期からプロになるまで一人の指導者に師事し、ある人は複数の指導者に習いながらプロになります。どちらが良いとは言えません。それぞれに理由があってのことですから。

素晴らしい演奏家が素晴らしい指導者とは限りません。その逆も言えます。また、どちらの面でも素晴らしい方もいらっしゃいます。

問題は多くの方々が「演奏家の方がすごい・かっこいい」とか「音楽家として指導者は当たらない」という誤った発想です。

私は素晴らしい指導者の先生方に恵まれて育ちました。初めてヴァイオリンを手にした時に手取り足取り(足はとられてない)教えてくださった師匠。その後も、通っていた公立中学校で音楽のたのしさを教えてくださった音楽の先生、聴音とソルフェージュ・楽典を短期間で桐朋合格までたたき上げてくださった先生。ヴァイオリンの厳しさと基本の大切さを教えてくださった久保田由美子先生。不出来の弟子を最後まで優しく支えてくださった久保田良作先生。本当に素晴らしい指導者の方々に巡り合えたのは奇跡だと思います。

演奏家になりたいと思う気持ちは音楽を学ぶ者にとって共通の「夢」かも知れません。最初から指導者になろうと思う人は少ないのが普通です。だからというのではありませんが、演奏家>指導者という妙な不等式が「なんとなく」認められてしまっています。大間違いです。大嘘です。指導者が優れているから未来の演奏家が生まれます。演奏家は自分をし立ててくれた師匠は尊敬するのに、自分は指導者は目指しません。教え子にも目指させません。なぜでしょうね。やっぱり指導者は演奏家より「下手な人がなる」と思い込んでいるんでしょうか。はっきりいって「あほ!」と言ってあげたいです。

私の母校である桐朋学園大学に限ったことではないようですが、多くの指導者(先生)が母校ではない学校で教鞭をとられています。その先生を悪く言うのは間違いです。私は、学校経営者がおかしいと思います。音楽の学校は演奏家・音楽家を育てる学校です。その指導者はその学校の宝であり、なによりも学生にとって師匠なのです。その先生を大切に思う経営者なら間違いなく母校出身者を教授陣にするはずです。もちろん、人材がなければ例外もあると思います。

一方で私が勤務した私立の普通科中学・高校では卒業生から教員を採用していましたが、恐ろしい一面があります。採用するのは学校法人であり人事権は理事会にあります。が現場の長である学校長の「好きな卒業生」を採用するのが、当たり前になっていました。能力より「校長に従順である人物」が採用されます。これ、学校として間違っています。

若い演奏家の方、そして今音楽を学んでいる方、なにより、子供たちに音楽を教えている先生方。どうか!指導者に尊敬と誇りを持ってください!演奏家を目指すのも夢なら、一人でも多くの演奏家と指導者を育て上げるのも大きな夢です。演奏家より指導者が重要な世界です。日が当たって目立つのは演奏家ですが、指導者の優劣こそが音楽の世界をはぐくむ大切な「音楽」であることを伝えたくて、生意気な文章を書きました。お許し下さい。

メリーミュージック代表 野村謙介

ヴァイオリンの悩み②

皆様。いかがお過ごしですか??さて、今回は「練習のモチベーション」です。

どんなに音楽が好きでも、毎日の生活はいつも同じではありません。だからこそ、好きな音楽の練習時間と気持ちを、いかに確保するのかが、とても大きな課題になります。

もしも、あなたが音楽家を目指す人なら「そんなことを考えてないで練習しなさい!」と言い切ります(笑)でも、普通の方は「趣味」の音楽ですよね。趣味だからこそ!難しい問題なんです。

日々レッスンをしていて生徒さんの練習内容はすぐにわかるものです。今週は練習できなかったんですと、わざわざ言わなくても(笑)私たちは生徒さんの練習してきたものをチェックして、さらに次の課題を考えています。その「日々の練習」こそが、上達のポイントになります。決してレッスンで上手になるわけではありません。

さて、練習のモチベーションを維持するためにというお話

あなたが練習する本人なら、環境に左右されない方法。「なりきり練習法」をお勧めします。つまり、自分の演奏に自信を持つことです。モチベーションが下がる原因は自身の喪失から始まります。「やってもうまくならない」「どうせ下手なんだから」思い込んでしまったら、そりゃ~(笑)厳しいですよ。

もっと具体的に。まずは形から!構え方と左手・右t毛の形、演奏の仕方。あなたのあこがれる演奏家の「ものまね」をしてみることです。鏡を見たり、勝手に想像したり。子供のころ、男の子なら憧れのスーパーヒーローやスポーツ選手のマネをしてみたり、女の子なら…昔ならピンクレディーになり切ったり、憧れのアイドルの髪形をこっそり(笑)マネしてみたり、しませんでしたか?sれです。まずは、形から!

もしも、あなたのお子さんがなかなかやる気をだしてくれないなら。答えは簡単。常にほめまくること。つい、自分の子供に「だけ」厳しく当たってしまうのが親というものです。その感情をどこまで抑えられるかという親の覚悟が必要です。子供は初めは「ばよりんがひきたい!」ですから。でも、どんな子供でもぜっっっっっっっっっったいに!飽きると思ってください。多くのお子さんが初めてすぐにレッスンをやめてしまいます。「こどもがやりたがらなくなったので」とか「むいていないから」とか。いろいろな理由を保護者の方からお聞きします。事情は察します。子供が飽きることは習い始めに必ずお伝えしています。それなのに…。親が子供をほめ続けることがどれほど大切なことか。逆のことばかりになりがち。いつもおこってばかり。子供がモチベーションが下がると子供のせいにするのが間違っています。ほめ続けてください。レッスンでどんなに厳しく注意されても、子供にとって一番ほめてほしいのは親なんです!練習するたびに「上手になったね~。昨日よりうまくなってるよ」たったその言葉だけでも、子供はうれしいものです。それが子供のモチベーションにつながります。

長々と書きましたが、褒める技術が良い指導者の技術です。いつも褒めては上達しません。普段は厳しくて当たり前。時々(笑)

みなさんが長く音楽を楽しみ続けられることを何よりも願っています。

メリーミュージック代表 野村謙介

発表会について

リーミュージック生徒の皆様、野村です。突然の雷雨で外出がますます難しいこの頃ですね。

さて、第27回小さな音楽会を来月、2020/10/11(日)にもみじホールで開催いたします。

前回26回の発表会は、ネット発表会の形でしたが、今回は感染予防対策を可能な限りとりながら
いつものように会場で演奏を発表しあう音楽会にします。
感染予防の対策として…

インストール済みプラグイン

・入場者(客席に入れる方)を関係者に限定します。(一般の方は入場できません)
 出演者のご家族に限定し、受付などを設けずに実施します。
・出演者が着替えで使用していた楽屋(控室)は使用せず、普段着で演奏していただきます。
・出演者同志の席を近づけず、客席から舞台に上がるようにしますので、一人ずつの演奏の間隔を長くとります。
・約1時間に1度、15分程度の換気時間を設けます。
・伴奏の先生方やスタッフも可能な限り、舞台袖を使わずに進行します。

伴奏合わせは、10月3日(土曜日)と10月10日(土曜日)の午前10時から午後3時までの間に行います。
以下のフォームからお申し込み

と、伴奏合わせの希望日時についてご連絡ください。
http://merry649.com/happyousanka.html

参加費は一人税込み11,000円。ご家族お二人目は半額の税込み5,500円です。
一人でも多くの方のご参加を心よりお待ちしております。

(有)メリーミュージック
〒252-0143
神奈川県相模原市緑区橋本2-3-3
Tel&Fax 042-771-5649
オフィシャルサイト http://www.merry649.com

プリン劇場第8幕完成

自宅で浩子先生と二人だけで演奏・撮影・録音・編集をしている、この「ぷりん劇場」も第8幕になりました!

最初の第1幕で勢い余って(笑)たくさんの曲を演奏してしまい、「ネタ切れ」が心配でしたが、探せば出会えるものです!

今回の新作は「夏の思い出」と「ミスティ」

そのほかに「見上げてごらん夜の星を」と「オブリビオン」

私たちの選曲基準はずばり「メロディとピアノアレンジ」です。どんなに有名な曲でも、演奏するのは二人だけです。ドラムやベースが入る「チキチキドンドン」は無理(笑)

特に歌曲はアレンジが命!

夏の思い出は多くの方に親しまれている歌です。だからこそ!歌詞が思い浮かぶ演奏が難しい!

演奏前の自宅レッスン室の「スタジオ化」から作業開始です。普段はレッスンでピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、聴音のレッスンをしている我が家のレッスンスペースの、電子ピアノを移動し、カメラを2台三脚にセットしてマイクをピアノに2本、ヴァイオリンに1本、全体の録音に2本、合計5本のマイクをスタンで建ててケーブルを部屋中に引き回し(汗)セッティングが終わると、試しに録音して確認。音量、バランスを確かめてもまた試しに録音。カメラのアングルや明るさも途中で変更できないので慎重に。

やっと!演奏して終わるとすぐに「スタジオ→レッスン室」に原状復帰の作業開始!さすがになれまし’た(笑)その後、ひたすら編集作業です。パソコンを新しくしてものすごく高速化しました。

そんな動画ですが、よろしければお楽しみください。コメント欄にご感想やリクエストなど書いていただけると私たちのやる気にもなるのでぜひ!よろしくお願いします!

ヴァイオリンの悩み(笑)シリーズ①

皆様。ご無事でしょうか?野村謙介です。
さて、妙なタイトルでスタートしたブログ(笑)
多くの生徒さんたちと日々レッスンで思うこと、
ヴァイオリンを練習していると感じる「素朴な疑問」
もちろん、練習しなきゃ!っていう気持ちはどこかに(その程度か!ww)
私も生徒さんも持っているのですが、実際に練習していて
「なんでかなぁ」と疑問に感じることって多いですよね。
そこで今回は「肩当」について
これ、以前にも書いた記憶もありますが(調べろ!ww)
肩当に関する疑問はとっtっても多くの生徒さん共通の「悩みの種」。

実は私も肩当には大昔から(弥生時代ごろ?)いろいろな肩当を試していました。
ご存知の方も多いと思いますが、肩当ってしなくても演奏できるし、
実際世界のソリストたちにも肩当を使わずに演奏している方、多いです。
「だってあの人たちは特別だし」
はい同感(笑)
いや、肩当ては「弾きやすくするための補助具」なんです。
その補助具に、いつの間にか自分が楽器の構え方を「合わせてしまっている」ことが多いんですね。
昔から多くのヴァイオリニストや指導者の方々が、楽器の構え方について、あるいは肩当の使い方や選び方について、本や動画で発表されています。
肩当に空気を入れて膨らませるタイプや、ウレタン素材のものなどから
各種本当にたくさんの肩当が手に入ります。
自分にあった肩当を探そうと、お店やレッスンで試してみても
どうも「これだっ!」って肩当に巡り合えないでしょ?
私なりの結論。

・肩当て「なし」で楽器を持って「弾こうとしてみる」
無理に弾かなくていいんです。
その時に、どこに空間(隙間)があって、何が不安定で、
左手や左肩、あごで「どうやって楽器を持とうとしているか」を
確かめるための実験です。
・体(左肩)と楽器の裏板との隙間を、鏡で見たり、右手を差し込んでみたり、実際に確かめます。
このとき、着ている服によって、すごく感じが変わります。
夏場でほとんと肌に直接楽器が触れる「薄着」の場合と、
厚手のセーターなど冬場の服装とでは、この「隙間」が大きく変わります。
要するに、肩当て「なし」で楽器と触れる自分の体の間隔を確かめることが大切です。

私は現在、ピラストロ社が出している穴あき肩当(笑)を使っています。
「これが一番」だとは決して思いません。が、今の私の構え方を
一番無理なく補助してくれる肩当だと思っています。
スタンダードな「KUN」の肩当てで、なにか不満や疑問を感じたら、
肩当をしないでもって見てから、もう一度肩当を付けてみると、向きや高さがあっていないことも可能性として大いにあります。
自分で自分の体をチェックするわけですから、他人の意見や参考にならないかも知れません。

迷ったら、原点に戻る!

試してみてください!

ヴァイオリニスト 野村謙介