メリーミュージックブログ

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演奏の評価ってなんだろう?

演奏の評価ってなんだろう?

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 映像はシューベルトのアヴェ・マリアをヴィオラとピアノで演奏したライブ映像。自分では課題だらけの演奏です。当たり前ですが。
 さてクラシック音楽の演奏者に対する評価には「マスコミ・評論家の評価」と「実際に聴いた人の評価」があります。YouTubeでのナレーションも影響力の大きさを考えればマスコミの評価に準ずるものだと思います。
 一般に「良い評価」が多く伝えられます。そこには「感動」「衝撃的」「涙」「絶賛」「鳴りやまない拍手」などの文字がおどります。
実際にそうだったのか?(笑)と感じるのも正直な気持ちです。
そもそも演奏のどこに?なにに?対しての評価なのでしょうか。

 コンクールは審査員が評価をして参加した演奏者の序列を決めるものです。複数の審査員がいれば評価も分かれます。それぞれのコンクールで最終的な序列の決定方法が違います。最高点と最低点を切り捨てる方法や平均値で順位を決める方法など様々あり、審査委員の人選や人数もすべて違います。「観客による投票」も順位とは別に発表されるコンクールもあります。
 一方で「普通の聴衆」=専門的な技術や知識のない人が演奏を聴いて感じる「感想・印象」があります。これも一種の「評価」であることは間違いありません。むしろ演奏会の客席に座る殆どの人は「普通の人」のはずです。
 「曲が好き」だから演奏が良かったと言う人もいます。自然なことです。作曲者を知らなくても初めて聴いた曲でも「好き」と感じることがあります。先入観を持たずに音楽を耳にした時に感じるものこそが「評価」だと私は思っています。
「この人は〇〇コンクールで」とか過去の演奏会で「感動の声が」とか言う他人の評価が先入観になります。ビジネスとして考えればこれこそが「販売促進=営業」の技術です。口コミが最大の広告であることは企業に務めた人なら誰でも知っている事です。大げさでも「大盛りに盛った話」が多少の嘘を含んでいても人が集まればビジネスが成立します。

「音楽産業」の一つにクラシック音楽に関わる人たちの「経済活動」があります。演奏会を開くためのお金も「誰かが誰かに支払う」のです。そして演奏する人の得るお金は?演奏者自身が主催者の場合ならチケットの売り上げから経費を引いて残った金額が「売上」になるわけです。
「クラシックを金勘定で考えるな!」と思われるかも知れませんが、演奏する人間が霞を食べたり段ボールを食べて暮らせるわけもなく、生活できることが前提条件です。
 話を「評価」に戻します。
「演奏する人間=演奏した音楽以外」の評価がクローズアップされているケースがあります。「年齢」「身体的な障碍」「生い立ちなどのバックボーン」「国籍」などは本来演奏とはまったく無関係です。
上記の例えから「7歳と言う幼さで視覚障碍を持ち、両親が事故で亡くなった音楽家の子供で日本人」なんて(笑)書かれていたら人の眼を弾きますよね。もちろんフィクションですが。

これは極端な例えですが「近い話」ってあるような気がします。

 純粋に演奏を評価する場合、演奏のどこに感動したのか?という捉え方ができます。
 ヴァイオリンを演奏する人が感じるヴァイオリン演奏を聴いた時の感動と、ピアノの演奏を聴いた時の感動は実はまったく違うものです。
演奏技術の評価はその楽器を演奏できる人の中でも「演奏者より高い技術のある人」が聴いた場合とそうでない場合で評価が分かれます。
 普通の聴衆=演奏家でない場合には「何がすごいのわからない」はずです。速い曲を弾いている姿を見れば「すごい」と感じます。さらに他の情報「年齢」や「容姿」など演奏とは別の要素も印象に加わります。
「簡単そうに聞こえる曲」ゆっくりしたテンポの音楽や聴いたことのある「歌」などの場合に「すごい」と言う印象は残らないものです。
もちろん専門的な技術を持った人が聴けば音色、表現の技術の高さもわかります。

 結論。「情報(他人の評価)よりも演奏を聴いた自分の印象・感想を大切にする」ことです。今はネットでのクチコミ情報や「評価・ポイント」も疑わしい時代です。大手のネット通販でも詐欺まがい、中には本当に詐欺で被害にあう人が後を絶たないのが現実です。
どんなにネットで高い評価があったとしても、実際に自分が「良い」と感じるかどうかは別の問題です。飲食店の情報と似ています。
自分が「素人だから」「よくわからないから」と言う気持ちで他人の評価を鵜呑みにするのは決して正しい事ではないと思います。
専門家や有名な演奏家が高い評価をした…と言う情報が真実かどうかは疑ってかかるのが正解だと思います。「〇〇フィルハーモニーの演奏者が絶賛し涙を流した」と言う情報のファクトチェックは誰もしていないことが殆どです。
自分の耳と感覚で好きな演奏を楽しめたならそれが一番だと思っています。私はそんな演奏を目指してこれからも精進します。
 最後までお読みいただきありがとうございました。

ヴァイオリニスト・ヴィオリスト 野村謙介

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