映像はかなり前の演奏動画ですが普段レッスンで使っていた教室のスペースで開いたミニライブ(コンサート)での演奏動画です。
映っているように私と最前列で聴いてくだっさているお客様との距離は1メートルあるか?ないか?の至近距離です。
今回のテーマは演奏を聴く時の「距離」で何が違うのかを考えるものです。
演奏する会場が「〇△ホール」と書かれている場合、一般的には客席数が100から数百席の「小ホール」と1,000席以上の客席を持つ「大ホール」に分かれます。
名称だけでは判断できませんが設計段階での「目的」があります。多目的に使うためのホールは残響時間を短くし講演や演劇の声を聞き取りやすくした音響を考えています。客席から舞台上が見えることも大切な要素になります。
音楽の演奏を主眼とする音楽ホールでも大音量のコンサートを開催するためのホールと室内楽やソロ、アコースティック楽器によるジャズライブなどに適したホールに分かれます。前者の場合にはステージの広さも求められます。残響と反射音は設計で変わります。金管楽器や打楽器の演奏では残響や遅延=ディレイは嫌われる傾向があります。一方で弦楽器のアンサンブルや独奏の場合には音域のバランスが取れた残響があった方が心地よく演奏を楽しめる上に演奏者も自分の演奏した音が返ってくるので安心して演奏できます。
ホールではない場所での演奏も立派な演奏会場になり得ます。
数千から数万人が一度に音楽を楽しめるような野外でのフェス、巨大なドームでのライブなどでの演奏もあります。音は電気的に増幅し巨大なスピーカーから聴こえてきます。演奏者を見るのもスクリーンに投影された映像になります。
ストリートライブや商業施設や駅構内で演奏するケースもあります。
演奏の環境は決して良いとは言えなくても演奏者を間近に感じられるのが最大の楽しみです。
それ以外にもサロンホールでの演奏や会議室、一般過程のリビングでも演奏できます。広さも音響も様々です。
一度に多くのお客様を迎えられる会場での演奏と数名~数10名程の方に聴いて頂く演奏の違いとは?
一言で言えば「お金」の問題です。
大きな会場は使用するための費用が莫大になります。利益を出すためには来場者からの入場料(チケット代金)×来場者数で決まります。
小さな会場や会議室、リビングのような場所であれば会場費はほとんどかかりませんから入場料や人数を気にする必要はありません。
もちろん大きな利益を望むなら「大きな会場で高い入場料をたくさんの人に払ってもらう」事が条件になります。現在の不景気は日本で高い会場費に見合う集客をすることは極めて困難です。高い入場料を払えない人にとって演奏会が縁遠いものになっています。
そんな現代演奏家が生活する収入を得ることは本当に大変なことです。
「自然淘汰」と言ってしまえば簡単ですが若い演奏家や大手の音楽事務所のプロモートを受けていない演奏家にとって演奏する機会が失われています。
小さな会場でも少ないお客様でも演奏を聴いて頂ける場を提供してくださる方たちが増えることを願っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ヴァイオリニスト・ヴィオリスト 野村謙介
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