メリーミュージックブログ

演奏家夫婦が優しく丁寧に指導

TEL.042-782-1922

※原宿南教室〒252-0103
神奈川県相模原市緑区原宿南2-26-1

演奏とパフォーマンス

演奏とパフォーマンス

このエントリーをはてなブックマークに追加

動画はNPO法人メリーオーケストラの定期演奏会映像。子供たちが手作りの「コスプレ」をしながらヴァイオリンを暗譜で演奏しています。
「学芸会じゃないんだから」と批判的な意見もあるかも知れませんが、音楽に対する姿勢は見た目だけで判断するべきではないのです。練習に6か月間の期間をかけて楽譜を見ないで弾けるまで子供たちが練習します。初心者の子供が演奏できて、聴いていて違和感のないオリジナルのアレンジをしています。来場されたお客様が楽しんで笑顔になる。子供たちの演奏に惜しみのない拍手を送る。その喝采を受けた子供が達成感と同時に音楽の楽しさを体感すると言う連鎖が生まれます。

音楽を演奏する時、楽譜を元に「音」を第一に考える一面と、曲の組み合わせや音楽の解釈=弾き方を考える一面、さらに曲のアレンジを新たに考えて演奏するケースや、コンサートやライブでの「演出=パフォーマンス」を考える場合があります。
当然「音楽」が一義的に重要です。その他の要素、例えばプログラム構成や楽譜=アレンジの選択、コンサートでの演出は演奏と比較すれば重要度は低いと言えます。

音楽に演奏以外の要素は不要と言う考え方もあります。
しかし、厳密に言えばクラシック音楽を楽譜の通りに演奏する場合でも一音ずつ「音へのこだわり」があります。楽譜に書かれていない「音色」や微細な強弱の付け方を、演奏者の解釈で自由に表現できる範囲があります。これも一種の「演出」と言えます。

演奏を録音しCDなどに記録する場合に「電気的な処理」が不可欠です。
どんな録音方法であっても空気の振動=音を電気信号に変換しない限り、録音はできません。アナログ、デジタルの問題以前の事です。
処理の過程で音量や音色が変化するのは避けられない事実です。
録音会場で聴こえていた音をそのままに録音、再生することは先端技術を持ってしても不可能です。言い換えれば録音・再生される音楽は「別物」だと言えます。
その電気処理でも「演出」があります。音を創るエンジニアの技術と編集・加工の現場で決定権を持つ人の「好み」で生の演奏とは違う音楽が出来上がるのが現実です。CDやYouTubeの演奏に対して「〇〇さんのヴァイオリンは音が小さい」とか「音色が固すぎる」と言う論評は演奏者へ向けたものではなく、電気的に音を処理した「影の人」への言葉なのです。決して演奏者の問題ではありません。

実際に演奏する音をマイクやスピーカーを通さずに「生=アコースティック」で聴く演奏会の場合には演出は不要でしょうか?
例えば舞台の照明と客席の明るさも一つの演出です。
また細かいことで言えば空調=室温も一種の演出です。
クラシックのコンサートで必要以上の演出はむしろ違和感がありますが、
演奏者のトークが不要だという考え方と、あっても良いと言う意見もあります。前者の意見の人もアンコールの前には演奏者の「一言」があるのは許せると言うケースが多いのも事実です。
この問題は当然、演奏者側の考え方で決まる問題です。
トークが「苦手」と言う人は当然演奏だけで終始するでしょう。
お客様との一体感やコミュニケーションを持ちたいと考える人は、曲間にトークを入れるかも知れません。当然、聴く人の好みがわかれますが、私の感じるお客様がクラシックコンサートに抱く印象の中に「怖い顔をして演奏し続けて一言もしゃべらずに終わる」のがクラシックだと思っている人が多いように感じます。音楽だけを聴きに来た人にとってトークは無駄な時間です。
どちらが正しい?と言う答えはありません。
どちらにも一長一短あることは事実です。

最後に演奏会に来場者が期待することについて考えます。
前提として事前に「演奏者」がわかっている事は当然ですね。
一人だけの演奏なのか?二人なのか、ゲスト演奏者がいるのか、オーケストラなのかなども事前に告知されているケースがほとんどです。
演奏曲目がすべて(アンコールを除き)告知されている場合もありますが、ポピュラーのライブのように「当日のお楽しみ」と言う告知の仕方もあります。
演奏の合間のトーク、演奏時間、休憩、椅子の固さなどは当日にならないとわからないのが一般的です。これも聴く人によって印象が変わります。
演奏会に何を期待して行くのか=来るのか?
音楽を聴きに。それは当然です。それだけでしょうか?
聴くだけなら自宅でも外出先でも移動中でも音楽は聴けます。
好みのイヤホンやヘッドホンで、好きな曲を好きな演奏者の録音で聴けばむしろ「音」はそちらの方が好みに近いでしょう。交通費もかからず、時間も必要ありません。入場料もいりません。
演奏会・ライブで「しか」味わえない楽しみや感動とは?
一つには「来場者同士の一体感」があります。
さらに録音物にはない「緊張感」かも知れません。CDに録音された演奏は、100回聞いても変わりません。生の演奏は「一度きり」の出会いです。
自分の好きな演奏ではない演奏になるかも知れません。期待を超える感動を味わえるかもしれません。聴いてみなければ感動は得られません。もしかすると不満だけが残るかも知れませんが…。その「わくわく感」と「ドキドキ感」が生演奏を聴く楽しみでもあります。
演奏する側から考えれば、聴く人が不快に感じない環境を準備することが先決です。会場の温度も照明も大切な「おもてなし」の一つです。
自分のできる最大限の準備をしてお客様を迎える気持ちこそがすべてだと思います。期待に応えられない「かも知れない」のは事実ですから準備は大切です。
パフォーマンスは「コスト」と関連します。つまり聴く人の「満足度」は演奏会のすべてのパフォーマンスによって決まると言えます。演奏だけがすべてではないと私は確信しています。
最後までお読みいただきありがとうございました

ヴァイオリニスト・ヴィオリスト 野村謙介。

« »

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です