映像はサン・サーンス作曲「序奏とロンド・カプリチオーソ」
10年ほど前の演奏です。この曲はソロヴァイオリンとオーケストラで演奏するのがオリジナルの楽譜です。ピアノとヴァイオリンで演奏することも多いの楽曲の一つです。サン・サーンスはヴァイオリン協奏曲も作曲していますが、この「ロンカプ」はヴァイオリンコンチェルト…とは呼ばれません。
単一楽章で完結する楽曲は「小品」として分類されます。が…この曲、かんり大曲です(笑)
オーケストラと共演する場合とピアノと共演する場合の違い。
・オーケストラは楽器の種類が多い(弦・木管・金管・打楽器)
・オーケストラの音量差=一人~全員演奏のが大きい
・オーケストラは音色の違う楽器とヴァイオリンの共演
・オーケストラで演奏する楽器はほとんどが「純正調」ピアノは「平均律」
・オーケストラとの練習は大がかり(笑)
などなど違いは様々です。ヴァイオリンコンチェルトをピアノとヴァイオリンで演奏する場合、オリジナルの演奏とは全く違う「音」になるのは当然です。
作曲家が意図した音色や音量のバランスも、オーケストラとピアノでは違います。
作品によって、オリジナル=オーケストラとソロヴァイオリンがあっても、ピアノとヴァイオリンの「楽譜=音楽」を聴いて素晴らしい!美しい!と感じる曲も多くありますが、残念!な楽譜も多くあります。
この序奏とロンド・カプリチオーソの「オリジナル」をご存知の方にとって、ピアノとの演奏は「物足りない」と感じる人もおられますよね?
もちろん「好み」の問題がありますが、ピアノとヴァイオリンで演奏するロンカプ「も」好きな人もいます。
ピアノは「オーケストラの代用楽器」ではないのです。フォルテ・ピアノと言う一つの楽器です。そのピアノで演奏して美しい曲もあれば、「?」と言う楽譜もあります。ヴァイオリンでも同じことが言えます。
クラシック「おたく様」の中には「オリジナルの楽譜=編成でなければ良さがない!」と言い切る方もおられますが、私はそう思いません。音楽の「好み」は人によって違うのです。作曲家の「狙い」とは別に演奏する人・聴く人の好みがあります。それが音楽だと思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ヴァイオリニスト・ヴィオリスト 野村謙介