メリーミュージックブログ

演奏家夫婦が優しく丁寧に指導

TEL.042-782-1922

※原宿南教室〒252-0103
神奈川県相模原市緑区原宿南2-26-1

ライブ演奏ととCDの違い

ライブ演奏ととCDの違い

このエントリーをはてなブックマークに追加

映像はハリウッド映画「インテルメッツォ」で使用されていたプロボスト作曲「インテルメッツォ」
代々木上原ムジカーザでのライブ映像です。今回のテーマはライブ=お客様の前で「生演奏」した演奏とCDなどの録音での演奏について違いを考えるものです。
 私たちも過去に3枚のCDを録音・作成・販売しています。3枚とも自宅で自分たちで機材のセッティングから編集を行いCDジャケットの作成も「手作り」のCDです。
同じ曲でも録音する場合と生演奏では全く違った演奏になります。

録音の場合には自分たちが納得できる演奏が出来るまで何回でも録音し直すことができます。
1曲録音して聞き返して不満があれば休憩してから録り直す作業を繰り返せます。自宅で録音したので何日にも分けて録音することも可能です。
録音方法の「進化」で多くのレコーディング現場では「部分録音」をつなぎ合わせたりピアノとヴァイオリンを別々に録音する方法が主流になりつつあります。この方法だと納得いかなかった部分だけを録音し直すことで時間の短縮が可能な上、別々に録音することで二人のどちらかがミスをした場合、そちらだけを部分的に録音すれば良いので効率がさらにアップします。
「そんななのずるい!」(笑)と思う方も多いと思いますが、昔から行われていた録音方法です。
二人の音量のバランスも別々に録音すれば後から電気的な処理でいくらでも変更が可能になります。
オーケストラの演奏を録音する場合でも10~20本のマイクをソロのある楽器や音の小さな楽器のすぐ近くに立ててそれぞれを違うチャンネルに録音する「マルチトラック録音」が当たり前になっています。
昔のテープ六異音と違い雑音のない音で何度編集してもピッチが変わらず音質も劣化しません。
こうして出来上がるのがCDでありプロオーケストラの演奏動画です。

生演奏の場合、特に拡声装置をしようしないアコースティックでの演奏は演奏のミスもやり直しが出来ませんが音量のバランスも後から変更することは不可能です。
さらに演奏会で1曲だけを演奏して終わる…ことはほぼあり得ませんから、多くの曲を限られた時間内で演奏する集中力と体力が求められます。録音とは全く違う緊張感があり準備の時間も比較にならないほど必要になります。聴く側にしてみればCDを自宅で聴くのも会場で生演奏を聴くのも同じ曲・同じ演奏者かも知れません。CDと同じ演奏をライブに期待する人もいますが正直に言えば意味のない期待です。
CDの演奏が聴きたければCDを聴けば何回でも同じ演奏を聴けます。先述の通り録音され加工された演奏は生演奏とは「別物」です。極論すれば巨大なライブ会場=ドームなどで何百人・何千人の聴衆と一緒に「CDの音」を聴いているケースもあります。CDではなくても予め録音された音を一部使いながらライブを行うバンドも珍しくありません。「一体感」を感じたいのであれば満足なのかも知れません。

生演奏が好きか?CDの演奏が好きか?これは好みの問題=価値観の違いですのでどちらが正しいと言うものではありません。それぞれに良さがあるのも事実です。どちらにも一長一短があります。
 私たち夫婦がコンサートで演奏する場合もっとも重要に考えているのは聴いてくださるお客様への配慮=おもてなしの心です。演奏する本人が練習にどれだけ時間をかけたからと言って聴く人にとって演奏会を楽しめなければ意味のない事だと思っています。時間と体力と交通費をかけてまで会場に音楽を聴きに来られた方に対する感謝と経緯を忘れた演奏は自己満足でしかありません。もちろんすべての来場者が満足できるコンサートは現実にはあり得ないのかも知れません。演奏者のファンだけが集まるコンサートであっても選曲によって不満を感じる人もいます。予め演奏曲が告知されていてもCDと同じ演奏を期待する人には不満があるはずです。
 結論として生演奏でのライブやコンサートは「その時だけの演奏と感動」があることを演奏する側も聴く側も共通理解しておくことが一番大切だという事です。ライブ演奏を録画・録音した映像や音源が世界中に無数にあります。私たちの演奏動画もその中の一つです。コンサートで実際に聴いてくださった方が録画された音を聴いて「なにか?生演奏と違う」と感じて当然です。会場で感じた演奏者の立ち振る舞いや息遣い、会場での音などは「記憶」にしか残りません。聴いてくださった方の良い記憶になるコンサートを続けていきたいと願っています。
 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

ヴァイオリニスト・ヴィオリスト 野村謙介

«

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です