教室にはたくさんの生徒さんが通ってくれています。
今年の9月で13期目を終え、14年目に入ったメリーミュージックです。
登録している生徒さんの数、713名。すべての生徒さんの個人カルテが保存されています。
すべての生徒さんが私たちの大切なお弟子さんです。
そんな中のおひとりを。
K君。現在高校1年生男子。1回目のレッスンは2005年11月9日金曜日11時から。当時4才でした。
おとなしく、素直な生徒というのが第一印象でした。毎週、欠かさずレッスンに通ってくるうちに、彼の個性がはっきりしてきました。
コツコツと毎日練習してくる几帳面な子供。ただ、姿勢を維持することが苦手でした。
貸し出していた分数ヴァイオリンはことごとく指板が削れるくらいに練習していました。
手に汗をかく体質で、その汗がとても酸性が強いようで弦がすぐにさびてしまうのも特徴でした。
コツコツコツコツ‥少しずつ上達し、やがて大まかな教本を終えたところで、本格的な基礎教本を使い始めました。
小学校高学年になり、毎日塾に通う日々の中、それでも毎日練習を欠かしませんでした。
受験が間近になり、一時的にレッスンをお休みしたときも、「絶対にやめませんから」というお母さんの言葉が忘れられません。
中学受験で志望校すべてに合格し、国立の中学校へ進学。すぐにレッスンが再開されました。
当時、歌うことが恥ずかしかったのか、表現が平面的でした。
練習曲集が大好き!という男子。次第に自分の考えや感情を言葉にするようになり、レッスンが一段と楽しくなってきました。
そして、とうとう私の身長を越えていまいました。(男子生徒が私より高くなると「破門」というルールがあります)
自分の好きな演奏、自分の弱い面、課題を的確に答えます。几帳面でありながら、はっきり「これは苦手」と線を引く強さもあります。
前回のレッスンで470回目でした。これもすごい数字ですが、私と彼の間に「師弟関係」がいつの間にかできていました。左手に関して言えば、もう教えることはほとんどありません。そのくらい上達してくれました。
将来はもっと数学の勉強をしたいと。音楽を趣味として、もっと上手になりたいという気持ちを持ち続けてくれています。
お母さんが毎回のレッスンに必ずついてこられます。私が師匠に「中学を卒業するまではお母さんもレッスンに来てください」と言われたことを彼とお母さんにお話ししたことも理由の一つのようです。
もちろん、彼一人でもレッスンに何の問題もありません。それでも、毎回教室でお母さんと待ち合わせをして学校からレッスンに来るK君は私の中では4歳の頃のかわいいちびっこのままです。
継続は力なり
まさに言葉通りです。どんな生徒さんにも個性があります。誰が一番‥ではなく、みんなが一番なのです。
これからも多くの生徒さんの成長を見守りたいと願っています。
野村謙介