時々、教室にはなんの予告もなく、初めてのお客様が立ち寄られます。
今日も、私が休憩している時にふらりと初老の男性が見えました。
「病院の帰りに歩いていたら入り口の表示器でヴァイオリンという声を聞いたので」
70歳になられるというこの方、小学校の頃、かの有名ない鷲見三郎先生にヴァイオリンを習われ、現在60年ぶりにヴァイオリンを習い始めたとのこと。ピアノも。
私のヴァイオリンを目ざとく見つけられ「これは素晴らしい!」とのお言葉。
とても気さくな方で、私のリサイタルのチラシを見ながら「え?これが先生だったんですか?外国の方かと思いました!」そんな笑いの絶えない時間を過ごし、名刺を交換して「また病院の帰りに寄りますね」と変えられていかれました。その後、名刺をよくよく目てみると、大学の名誉教授で、さらに調べてみればとてもご高名な方でした。そんなことを少し感じさせない優しいお人柄。音楽教室に病院帰りの重たい気持ちを切り替えるために立ち寄られたのでしょうね。
音楽が人の心の光になること。こんな素晴らしい出会いがあった今日でした。