ブラック部活に物申す

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以前にも書きましたが、教室の生徒さんたちの中にも部活動に生活の大半を「拘束されている」中学生・高校生がいます。
部活動が楽しいものであることは大変喜ばしいことです。
多くの人が中学、高校時代に部活動で思い出を作り今も当時の友人と交友があります。人生の「財産」でもあります。
ただ!その部活動が「生徒の生活にまで影響する」ことには私自身、違和感があります。学校の教育活動の一部であるからということもありますが、子供の健全な成長の妨げにさえなっている場合があります。はっきり言えば「有害な活動」だと思います。程度問題です。だからこそ「どこまで」という線引きが重要なのです。そして、内容が最も大切です。
音楽家の立場から見て、多くの「音楽系部活動」の内容が「非音楽」だと感じています。私の友人、知人が専門知識と技術を持ったうえで、部活動の指導に当たっています。彼らの指導は「プロを育てる指導との違い」を知っているから、アマチュアに求めるものしか生徒に求めていないはずです。練習方法の中にはプロになるための練習と共通する一面もあります。
「どんな練習に、どのくらいの時間をかけると、どのくらいの効果があるか」を経験で知っている音楽家。そして肝心の「効果」を判断できるのが音楽家です。
「何が上手で何が下手なのか」さえわからずに、やみくもに時間をかけるだけの指導は、音楽を作れないだけではなく、生徒が間違った練習で間違った成果を体感し「これが音楽だ」と勘違いしてしまう結果を招きます。
「気持ち悪い動き」「意味のない動き」「音楽と関係のない動き」
さらには「演奏に必要のない筋肉トレーニング」「間違った演奏方法で繰り返す間違った練習」すべては、生徒の音楽的な可能性を壊します。
正しい練習方法、正しい評価があって、初めて「練習の意味」が生まれます。
ただ音を出し、悪質な練習を繰り返し、休む時間さえ奪い取る。
生徒個人の生活を無視し、生徒同士が「拘束しあう」ことさえ知らない顧問もいます。
顧問自身が「休むなら演奏会に出さない」と脅迫するどんでもない人間もいます。
保護者の皆さん、そして教員の方々。
部活の音楽はアマチュアの音楽です。
だかたと言って音楽を知らない人間が指導しても音楽は生まれません。
演奏に必要な技術を知らない人間が指導しても演奏はうまくなりません。
「部活でうまくなる」のは「うまくできる専門の指導者がいる場合」だけです。
音を出し続けることが練習ではありません。
休まずに練習してうまくなることは、絶対にありえません。
本当に楽器を上手に演奏したければ「専門の先生に習う」以外に方法はありません。
楽しいのは良いことです。しかし「休めない」部活は間違いです。
子供の時期こそ、家庭で過ごす時間、学校外で過ごす時間が大切なのです。
部活だけで学校生活を終わらせるのは、顧問の傲慢です。
その子供たちを黙ってみている大人は「無責任」です。
楽しそうだから。休むと演奏会に出られずかわいそうだから。
本当に楽しい部活は生活に支障をきたしません。
ぜひ、子供たちの部活に大人として、毅然とした態度で伝えてほしい。
「あなたの学校の部活は、本当に学校の授業のひとつなの?」
「なぜ学校が休みの日に部活があるの?」
「部活だけで学校生活を終えてもなにも後には残らないんだよ」
ぜひ、子供の為に「ブラック部活」から子供を守ってください。
一人の音楽家として心からお願いします。

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