ガット弦?ナイロン弦?

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今や大変多くの種類のヴァイオリン弦が手に入ります。
ネット上のブログなどを見ていると「ガット弦は調弦が狂いやすい」とか
「安定しない」などの
ガット弦<ナイロン弦
という個人の好みを目にします。あくまでも、その人の主観的な感覚なので
理論的な話とは違っています。

経験をもとに私の見解を。

ガット弦は良い音色が長く楽しめて、音色の幅も広いが、
少し高いことと、音色のコントロールに微細な技術を必要とする。

つまり、言い換えるとナイロン弦は、弾きやすく、少し安いが、良い音の出る寿命が短く、音色の変化量が少ない。

ブログで目にする「ガット弦は安定しない」というのは、実は弦を張ってから、常に少しずつ伸びている状況が長く(私の経験では3~4か月間)
その間の調弦が、当たり前ですが毎回必要です。
楽器を出すたびに調弦をする、あるいは、曲を弾くたびに調弦をするのが
私たちプロにとっては、何も特別なことではなく、むしろ当たり前で面倒だと感じることは一度もありません。

他方、ナイロン弦は弦が伸び切るまでに約1~2週間。この期間はとても素晴らしい音色と音量を楽しめます。
最もポピュラーなナイロン弦は、トマステーク社のドミナントでしょうね。
この弦のいい音が楽しめる「賞味期間」は、ずばり2週間です。
ある日を境に、突然、弦の余韻が極端に減衰します。解放弦で弦をはじいてみると、それまでの余韻と明らかに違う音になっているのですが、
多くのアマチュアヴァイオリニストはその余韻の違いに気づきません。
そして、この賞味期間を過ぎる(弦が伸び切った状態)と、
弦が切れるまで音色が変わりません。加えて調弦もほとんど、必要なくなります。

この状態を「安定した」というのは、はっきり言ってしまいますが
「寿命が切れてしまっただけ」なのです。

ガット弦は先ほど述べたように、3~4か月間、伸び続けます。
その間の音色は、少しずつですが劣化していきます。
ただ、
ナイロン弦よりもはるかに長い期間、良い音色を楽しめます。
さらに、音色の変化量、これは以前の投稿、「弓を操る」をご参照ください。
指、手首、肘、肩、首、背中の筋肉をコントロールして、
様々な音色を楽しみたいのなら、

アマチュアの方にもガット弦をお勧めします。

最後に、「ガット弦は切れやすい」という方がいらっしゃいますが、
調弦していて切るのは「アマチュア」だからです。
ガット弦が切れやすいのではなく、調弦がうまくできないから、切ってしまう可能性が増えるだけで、ガット弦がナイロン弦より切れやすいというのは

「間違い」です。

ぜひ、一度ガット弦をお試しあれ!!

野村謙介

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